1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560020
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
浅野 紘臣 日大短, その他, 講師 (30096755)
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Keywords | ハルジオン / パラコート抵抗性 / フラクション1プロテイン / SDS-PAGE / IEF / ヒメムカシヨモギ |
Research Abstract |
エリゲロン属の中で現在までにパラコート抵抗性をもつ種はヒメムカシヨモギ、ハルジオンの2種である。この2種について、個体内のパラコート抵抗性について検討した結果、エージングによってパラコートの抵抗性に差異が認められた。即ち、ロゼット状態の時は若い葉ほど、また同一葉の中では葉身基部に近い場所が抵抗性が小さい。さらに、葉身基部の葉脈に近い部分の抵抗性が最も小さい。このことは、エージングによる形態形成とパラコート抵抗性の関係が深いことを示唆している。 ハルジオンについて、抵抗性のカギが表層組織にあることが徒来の研究で明らかになっているため、パラコートが葉面からどのような形で吸収移行するか【^(14)C】-パラコートをもちいて検討した結果、葉面からのパラコートの吸収は、抵抗性種と感受性種では明らかに吸収パターンに違いが認められた。即ち、抵抗性種では葉面にパラコートが吸着し72時間後でも葉面に点在しているように見られるが、感受性種では処理後6時間で葉内組織中にとりこまれ拡散することが明らかとなった。抵抗性種と感受性種のパラコートの吸収パターンの差がパラコートの効果発現時間(日照下で4時間以内)とに強い相互関係が認められた。また、葉身組織への吸収量は抵抗性種の方が多い傾向にあった。 パラコート処理とタンパク質の関係について検討した結果、パラコート処理後直ちにタンパク質をSDS-PAGEおよびIEFによって分画した結果は、感受性のハルジオンは特定のバンドが強くダメージを受けた。また、抵抗性種では感受性種のもたないバンドが出現した。前述のダメージを受けるバンドは、フラクション1プロテインと呼ぱれるものと推定され、その性質上ハルジオンの抵抗性メカニズムは、葉緑体タンパク質との関連が強いものと考えられた。
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Research Products
(1 results)