1986 Fiscal Year Annual Research Report
住宅地開発に伴う大規模地形改変が残存樹林・緑化樹木群の生長に及ぼす影響
Project/Area Number |
61560028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東大, 農学部, 助教授 (90112474)
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Keywords | 丘陵地 / 住宅地開発 / 地形改変 / 残存樹林地 / 緑化樹木群 / 生長 / 生長阻害要因 / 立地要因 / 活力度 / 多変量解析 / 緑地保全 |
Research Abstract |
本研究は、大規模地形改変による土地造成を伴う丘陵地の住宅地開発における緑地保全の方策を提示する基礎として、東京,大阪,仙台の丘陵地を対象に、残存樹林,緑化樹木群の生長と地形改変後の立地要因を調査し、生長の阻害となる要因は何かということについて、多変量解析手法を用いて検討を、2年度にまたがって行うものである。 初年度の本年度は、現地調査と得られたデータのコンピュータへの入力に重点をおいて研究をすすめた。具体的には、大規模地形改変による住宅地開発の進行した、東京多摩丘陵(多摩ニュータウン),大阪泉北丘陵(泉北ニュータウン,仙台七北田丘陵(泉パークタウン)を対象に、既存資料の収集と、活力度など生長の程度,表層物質など立地要因の調査を行った。調査に際しては、地元の研究者,緑化担当者の多大な協力があり、研究は順調に進行した。 本年度は、データの収集に重点を置いており、詳細な分析と考察は次年度の課題である。しかし、予備的な分析の結果では、残存樹林の生長にマクロな地域差があること(コナラの活力度は、仙台で良く、大阪で悪い)、地形改変に伴う生育阻害の程度は立地要因、とくに母材の特性に大きく左右されること、などが明らかになっている。こうした結果は、昭和62年5月に日本造園学会全国大会で発表し、印刷公表する予定である。 本年度の調査結果により、分析の対象となる項目は、活力度などいくつかにしぼらざるを得ないことが分かってきた。次年度は、分析手法を確立したうえで、有効な結論が得られるよう、研究を進めていきたいと考えている。
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