1986 Fiscal Year Annual Research Report
数種類のユリの組織培養による短期・急速増殖の基礎的・応用的研究
Project/Area Number |
61560029
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新美 芳二 新大, 農学部, 助教授 (20018790)
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Keywords | ヒメサユリ / 葉片培養 / 鱗片切片培養 / 固形培地培養 / 液体振とう培地培養 |
Research Abstract |
材料はヒメサユリ、ササユリ、タモトユリを使用したが、後者の二つのユリについては十分な実験が進行していないため省略した。 増植率の向上:ヒメサユリの未展開葉切片を固形培地で培養する前に液体培地で、0,24,48時間振とう培養した。この処理により大幅な子球形成の向上はなかったが、24時間振とう培養は他のものよりややよく子球を形成することがわかった。 同じ方法を用いて、試験管内で形成された子球の鱗片を三等分して0,24,48,72時間振とう培養したあと固形培地で培養したが、これらの処理により子球形成は抑制された。一方、子球を低温処理(0,1,2,3,4週間)した後に各鱗片を分割して培養すると無処理(0週間)と比べて4週間低温処理区の鱗片切片は約2倍の子球を形成し、また分割しない完全鱗片と比べ鱗片あたりで比較すると約3倍の子球が形成されることが明らかとなった。 子球の生長:出来る限り効果的に子球を生長させるため、鱗片培養と鱗片に形成された子球を分離して培養する適切な期間を明らかにするため、全培養期間を20週間として調べた。鱗片培養のみ20週間では子球数及び生長も鱗片培養終了時には他の区と比べすぐれているが、鱗片培養8週間十子球培養12週間と比べて最終子球生長では劣った。すなわち、子球培養を12週間行うことにより子球の生長は著しく促進され、これらの子球は鱗片培養20週間のものと比べ約3倍の生長を示した。また一方、子球の生長を液体培地と固形培地で比較すると、液体培地で子球の生長は促進され、約1.7倍の生長率を示した。以上のことから、子球の子球の生長促進のためには、鱗片培養は約8週間行い、そのあと分離した子球を液体培地で振とう培養するとよいことがわかった。
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