1986 Fiscal Year Annual Research Report
作物根のサイトカイニン生合成と生育環境の関係に関する研究
Project/Area Number |
61560033
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
橘 昌司 三重大, 農学部, 助教授 (70024560)
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Keywords | 根 / 生育環境 / サイトカイニン / 低温耐性 |
Research Abstract |
種々の生育環境がキュウリの根の木部出液水のサイトカイニン濃度に及ぼす影響と、キュウリ及びクロダネカボチャの低根温耐性と根のサイトカイニン生成能の関係について、水耕法により研究を行った。 1.培養液温度の影響 液温12,20,30℃で8日間培養したキュウリの根の木部出液水のサイトカイニン濃度を調べた。サイトカイニン濃度は液温30℃で最大となり、12,20℃には違いはなかった。しかし、1個体当たりの全サイトカイニン含量は液温の低下につれて顕著に減少した。サイトカイニンの組成には液温による大きな違いはみられなかった。 2.培養液の溶存酸素濃度の影響 約8,5〜6,1ppmの酸素濃度で3日間培養したキュウリの出液水のサイトカイニン濃度を調べた。サイトカイニン濃度は5〜6ppm区で最大となり、1ppm区ではサイトカイニンはほとんど検出されなかった。 3.培養液の窒素濃度の影響 0,7,21mMの硝酸態窒素濃度の培養液で10日間培養して調べた。サイトカイニン濃度は7mM区で最大であったが、21mM区のそれは0mM区のそれより低い値であった。 4.キュウリとクロダネカボチャの低根温耐性と根のサイトカイニン濃度との関係について 液温12,14,17,23℃で10日間培養して根のサイトカイニン濃度を調べた。キュウリでは12℃で顕著に低下したのに対して、クロダネカボチャでは14℃で増大し、12℃では更に高い値となった。クロダネカボチャはキュウリより低根温耐性が高く、このことに、低根温下での根のサイトカイニン生成能が関係していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)