1986 Fiscal Year Annual Research Report
In situ ハイブリダイゼーション法による植物ウイルス核酸合成の細胞学的研究
Project/Area Number |
61560049
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
細川 大二郎 農工大, 農学部, 助教授 (50014957)
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Keywords | In situハイブリダイゼーション / TMV / ビオチン標識核酸プローブ |
Research Abstract |
In.situ ハイブリダイゼーション法により、タバコモザイクウィルス(TMV)のプラス(+)鎖RNA及びマイナス(-)鎖RNAを検出するために、ビオチン標識核酸プローブを作製した。(+)鎖RNAを検出するための核酸プローブは次のようにして作製した。TMVの外被蛋白質遺伝子のcDNAを合成し、これをpSP6ベクターのクローニング部位に逆方向に挿入した。E caliよりこのプラスミドを調製し挿入DNAの下流をBamHIで切断してからSP6ポリメラーゼを用い、反応液にATP,CTP,GTP,UTPとビオチン-11-UTPを基質として加えてRNA合成を行うことにより、ビオチンをRNAに標識した。このビオチン標識RNAはナイロン膜上にドットブロットしたTMV-RNAとハイブリダイゼーションを行い、これをアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビシンと反応させることにより、核酸プローブとして用いうることを確認した。またSP6システムでのRNA合成は各ヌクレチド1mMとビオチン-11-UTP0.5mMを加えた場合にRNA合成量が多く、これはハイブリダイゼーションの効率も高いことが認められた。(-)鎖RNA検出のための核酸プローブの作製は、TMV-RNAをアルカリ法により塩基に断片化し、これにフォトビオチンを光照射により反応させることにより作製した。この方法により作製したビオチン標識TMV-RNAも、TMV感染細胞より抽出したTMVの複製型RNAを標的RNAとして、前記と同様にしてナイロン膜上でのドットブロットハイブリダイゼーション法により、(-)鎖RNA検出の核酸プローブとして用いうることを確認した。次にTMV感染タバコをホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなどで固定し、パラフィン切片を作製したのち、前記の核酸プローブを用いて、in situハイブリダイゼーション法により、組識細胞内のウィルス核酸を検出する条件を検討しつつあり、この方法でTMVの(+)及び(-)鎖核酸が検出できると考えられた。
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