1986 Fiscal Year Annual Research Report
発病因子生産遺伝子をプローブとした植物病原細菌の検出法に関する研究
Project/Area Number |
61560050
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
露無 慎二 静大, 農学部, 助教授 (30090541)
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Keywords | 軟腐性細菌 / ペクチン酸リアーゼ遺伝子 / フォトビオチン / 簡遺検出法 / IAA合成酸素遺伝子 / プローブ |
Research Abstract |
1.放射性同位元素(【P_(32)】)でラベルしたErwinia carotovora subsp carotovora a ペクチン酸リアーゼの構造遺伝子を挿入したpBR322をプローブとしたDNA-DNA ハイブリダイゼーション法をナイロンメンブレン上で行なうことにより、各種植物病原細菌の内軟腐性Erwinia属細菌のみを特異的且つ簡便に検出出来ることが判明した。尚、被検菌は培地上のコロニーのままでも、【10^5】以上の菌懸濁液やDNA粗抽出液であっても効率良く検出出来た。2.上記プラスミドをフォトビオチンで標織した場合も効率良く軟腐性Erwinia属細菌を検出出来た。即ち、放射性同位元素を必要としないため、本プローブはほ場等の現場で予察等の広範な利用が考えられる。3.上記挿入DNA断片の塩基配列を決定した後、上記構造遺伝子部を切り出し、これをフォトビオチンでラベルしてプローブすることにより、検出感度をさらに高めることが出来た。4.(1)アルカリ処理、(2)中和処理,(3)フェノール処理、(4)エタノール沈澱を順次行なうことにより、短時間で植物体内や土壌中における軟腐性Erwinia属細菌を検出するためのDNA粗抽出液の調製法を確立することが出来た。5.ふじこぶ病細菌(Erwinia herbicola pv milletiae)にトランスポゾン(Tn5)をもちいてIAA(インドール酢酸)合成酵素性産遺伝子(トリプトファンモノオキシジェネース)を挿入した変異菌を得た。この挿入部分をカナマイシン耐性を指漂にpBR322上にクローニングした。本年度は、上記二つのプローブをさらに細分化し、目的に応じた最終的なプローブを作製するとともに、簡易検出法を完成させる。
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