1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560076
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西原 典則 鹿大, 農学部, 教授 (10041592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲永 醇二 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90041657)
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Keywords | 土壌通気 / 炭酸ガス発生 / 土壌有機物の無機化 / 施設栽培 |
Research Abstract |
土壌通気が土壌微生物の活動および作物の生育に及ぼす影響を知るため、室内実験および栽培試験を行い、次の結果を得た。 1.土壌に加えた有機物の分解に及ぼす通気の影響 炭素率の異なる有機物(でんぷん,なたね粕,ペプトン)を、炭素量が同一になるように黒ボク土に加えて混合したのち、アクリル管(28mm×250mm)に充填して土壌カラムを作り、カラムの下部より炭酸ガスを除去した空気を送り、カラムを通過した空気中の炭酸ガス濃度をガスクロマトグラフを用いて経時的に測定した。その結果によれば、でんぷん添加区は有機物無添加区とほぼ類似の炭酸ガス発生経過を示した。これに対し、ペプトン(炭素率2.8)およびなたね粕(炭素率6.7)添加区は、いずれも通気開始当初より炭酸ガス発生量が多く、8日目まで減少を続け、その後はほぼ定常状態を示した。炭酸ガス発生量はペプトン区がなたね粕区に比して多い傾向を示した。 2.作物の生育に及ぼす土壌通気の影響 通気装置を付けたa/2,000ワグネルポットに黒ボク土を充填し、ポットの地上部をポリビニール膜で円筒状に蔽い、数種類の作物を栽培した。ポットの下部の通気装置より1日2回(7:00〜8:00,12:00〜13:00)通気を行い、一定期間栽培後作物を抜き取り、乾物重およびN,P,K,Ca,MgおよびMn吸収量を測定した。供試した作物はイタリアンライグラス,ソルゴー,大根およびほうれん草であったが、なたね粕施用区ではいずれの作物も通気区が無通気区に比して生育量および各種成分吸収量は大きかった。特にイタリアンライグラスおよびほうれん草では、通気区は無通気区より30%以上の生育量の増加を示した。無機成分の中では、特にMnの吸収量が通気により増加した。無窒素区では、生育量および各種成分吸収量とも通気の効果は認められなかった。
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