1986 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌Levansucraseによる新糖合成とその生理活性
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61560105
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯塚 勝 阪市大, 理学部, 講師 (00047292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和央 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20183171)
南浦 能至 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20047129)
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Keywords | 枯草菌レバンシュクラーゼ / 蔗糖中のフルクトース残基の転移 / 転移効率 / レバンシュクラーゼの固定化 |
Research Abstract |
枯草菌の培養菌体より微アルカリ性緩衝液で遊離させた酵素を塩析,DEAE-セルロース,ハイドロキシアパタイト及びセファデックスのクロマト操作により電気泳動的に単一標品とした。本酵素標品を基質(蔗糖)の濃度を一定とし、受容体糖の濃度を変えると転移効率(【G-F/G】×100)は受容体の濃度の増加にともない増大し、受容体糖/基質(蔗糖)が1以上で80%に達した。転移糖の合成はHPLCにより確認し、BioGel P-2のクロマトにより分離し酵素分解及びTLCで同定した。試みた還元性二糖に対し全て還元末端Cl位にフルクトースが転移した。また、非還元性二糖であるトレハロースに対しても転移効率は劣るもののTrehaLose-Fが生じた(本生成物の構造については検討中)。マルトースシリーズのオリゴ糖にフルクトースを転移させて生じた非還元性オリゴ糖はヒト起源のα-グルコシダーゼと膵及び唾液α-アミラーゼによる分解性をテストした結果、マルトース-Fはα-グルコシダーゼのみが分解し、マルトトリオース-Fはα-グルコシダーゼ,サフマイモβ-アミラーゼ,ヒト膵及び唾液α-アミラーゼにより速度の差はあるものの分解を受けた。また、イソマルトース-Fは精製した膵α-グルコシダーゼでは分解を受けないがヒト尿中にはこれを分解する酵素が存在すること、またセロビオース-Fはセルロシン等セルラーゼ酵素剤中のExo型セルラーゼのスクリーニング基質として有効であることが判明した。固定化酵素は酵素と活性化SepharoseABのゲルを0.02M酢酸緩衝液(pH6.0)中でインキュベートすることにより多少の活性低下はみられるが容易に調製できまた酵素反応の後遠心により反応液から分離,洗浄し,反覆利用も可能である。合成新糖の甘味剤としての有用性とビフィダス菌等腸内細菌の増殖効果については今後検討行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 飯塚勝,平井敏雄,山本武彦: J.Fermentation Technology.
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[Publications] 飯塚勝,増本誠,山本武彦: J.Fermentation Technology.
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[Publications] 飯塚勝,南浦能至,伊藤和央,山本武彦: Agricultural and Biological Chemistry.