1986 Fiscal Year Annual Research Report
好酸性独立栄養細菌と従属栄養細菌との混合培養系による湿式冶金
Project/Area Number |
61560122
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田野 逹男 岡山大, 農学部, 教授 (60032976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 剛 岡山大学, 農学部, 助教授 (20033269)
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Keywords | Thiobacillus属 / Acidiphilium属 / 好酸性独立栄養細菌 / 好酸性従属栄養細菌 / 混合培養系 / 湿式治金 / ピルビン酸,ポリアミン |
Research Abstract |
Thiobacillus属細菌と好酸性従属栄養細菌との混合培養系を確立するための基礎実験を行った。 1.鉱山排水,河川水,畑土などから分離した好酸性従属栄養細菌6株の菌学的性質を検討し、Acidiphilum属と同定した。これらの菌のピルビン酸の資化性は充分でなく高濃度では生育阻害が認められた。[J.Gen.Appl.Micropiol.33(1)(1987)in press] 2.Acidiphilium sp 24Rからピルビン酸の資化性を有する変異株,24R-M 株を調製した。24R-M株を用い、T.thio-oxidansの培養液中に蓄積されたピルビン酸の84%を除去することが出来た。 3.T.thiooxidans ON 106株を大量培養し(ミニジァーファメンター使用)この培養液を除菌後、これでAcidiphilium sp 6株及び24R-M株をそれぞれ培養した。培養後再度除菌したものを培地として用いON 106株の生育を検討した。鉱山排水から分離した63株及びA株で処理したものは殆ど影響が認められなかったが、河川から分離した24R及びその変異株である24R-M株で処理した培養液ではON106株の生育は5日後で1.85倍及び2.85倍であった。しかし、これらのON106株の生育においては、途中で1時的に菌数が減少し再び上昇すると云う経過が認められた。この原因について、種々検討を加えた結果、Aci-diphilium属細菌はpHの低い条件下では培地中にポリアミンを放出し、これの酸化生成物である過酸化水素により、ON106株の生育が阻害されると考えられる結果を得た。 4.さらにThiobacillus属細菌自身も強酸性条件下では培養液中にポリアミンを放出していることが判った。従来、ピルビン酸による生育阻害と考えられていた対数期後期からの急速な死滅期への移行はポリアミンの酸化生成物による生育阻害にも原因があるとの結果を得た。 5.今後はThiobacillus属及びAcidiphilium sp24R-M株におけるポリアミン放出防止のための方策,ポリアミンの酸化生成物に対する耐性株の検策,変異株の調製について検討したい。
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Research Products
(1 results)