1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560125
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
八木 年晴 高知大, 農学部, 助教授 (90110759)
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Keywords | ビタミン【B_6】酵素 / トランスアミナーゼ / ラセマーゼ / デカルボキシラーゼ / 酵母 |
Research Abstract |
本研究課題の実施計画に沿って研究を遂行し、次の結果を得た。 1.パン酵母(Saccharonyces cerevisiae)の粗抽出液中に存在する各種【B_6】酵素の活性を測定した。α-トランスアミナーゼとしてアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AAT)、ω-トランスアミナーゼとしてリジントランスアミナーゼ、ラセマーゼとしてアスパラギン酸ラセマーゼ、デカルボキシラーゼとしてシスティンスルフィン酸(CSA)デカルボキシラーゼの各々の活性を測定し、比較したところ、AAT活性が最も強く、その他は非常にわずかな活性しか認められなかった。 2.各種酵母中に存在するAAT活性をスクリーニングした。(1)リンゴ酸脱水素酵素共役法によるアッセイで、各種酵母中のAAT含量は、属により大きな差のあることがわかった。Candida属の活性が最も高く、湿菌体1g当り30単位の活性を示すものがあった。次いでTorulopsis属、Saccharomyces属の活性が高かった。一方、Hansenula属の活性は低く、最も低いものでは1.4(単位1g菌体)であった。(2)CSA-テトラゾリウム法による活性染色により、AAT活性の電気泳動パターンを明らかにした。各種酵母は1〜3本のAATバンドを示し、これらのうちの主バンドの移動度は同属の酵母でほぼ共通していたが、バンドの本数は同属の酵母であっても同一ではなかった。 3.Torulopsis属のAATを精製し、その性質を明らかにした。Torulopsis candidaの粗抽出液から各種クロマトグラフィーと等速電気泳動により、均一なAAT標品が得られた。分子量や吸収スペクトル等の性質は動物の細胞質の酵素と良く一致した。ウサギ抗血清も調製中である。 4.T.candidaにおけるAATの局在性を調べた。局在性については更に詳細な検討が必要である。
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Research Products
(1 results)