1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560138
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碓氷 泰市 静大, 農学部, 助教授 (50111802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石戸 良治 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016037)
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Keywords | 溶菌酵素 / リゾチーム / キチナーゼ / 酵素合成有用オリゴ糖 / 糖転移反応 |
Research Abstract |
Nocardia orientalis IFO 12806株の培養液から順次、硫安分画、各種クロマトグラフィーによりキチナーゼを精製した。本酵素と高濃度存在下N-アセチルキトテトラオース:【(GlcNAc)_4】を作用させると、糖転移作用ドより6糖を、同様にN-アセチルキトペンタオース:【(GlcNAc)_5】を基質とした時は7糖を得た。6糖、7糖は核磁気共鳴法、酵素分解法などの構造解析により、それぞれN-アセチルキトヘキサオース:【(GlcNAc)_6】とN-アセチルキトヘプタオース【(GlcNAc)_7】とに同定した。このように本酵素は高い糖転移能を有し、【(GlcNAc)_4】、【(GlcNAc)_5】をよい合成基質としてキトビオシル単位で鎖長の延長を行い高収率で【(GlcNAc)_6】と【(GlcNAc)_7】を合成できることが判明した。またこれらオリゴ糖の糖転移生成能は基質濃度と反応温度により著しく影響をうけることが判明した。従来【(GlcNAc)_6】以上の高級オリゴ糖の調製はキチンからの酸分解法が用いられているが、この方法だときわめて収率が低く、各種クロマト操作を何回も行なわなければならなかった。本酵素合成法は一段階の操作で簡便かつ迅速に目的の高級オリゴ糖を調製することができる。 一方【(GlcNAc)_5】を供与体、P-ニトロフェニル-N-アセチル-β-D-グルコサミニドを受容体基質として50%メタノール存在下でニワトリ卵白リゾチームを作用させると糖転移作用によりP-ニトロフェニル(PNP)-【(GlcNAc)_5】が効率よく得られることを発見した。本酵素反応に対しメタノール添加はPNP-【(GlcNAc)_5】の蓄積量を増加させるだけでなく本オリゴ糖を優先的に生成させる効果のあることが判明した。またこのようにして得られたPNP-【(GlcNAc)_5】は人尿リゾチームそして卵白リゾチームの高感度活性測定用基質として有用であることが判明した。
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Research Products
(1 results)