1986 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖集水域における降雪の空間分布とその融解から流出への変化過程に関する研究
Project/Area Number |
61560167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福嶌 義宏 京大, 農学部, 助手 (00026402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅一 京都大学, 農学部, 助手 (10144346)
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Keywords | 琵琶湖集水域 / 積雪 / 融雪 / 流出 / 水循環モデル / 水文観測流域 |
Research Abstract |
近畿地方の水需要を賄う琵琶湖は、またその湖面々積の約5倍の集水域からの流入水量によって涵養されている。集水域の存在する水源山地は湖南部の瀬戸内海性気候と湖北部の日本海性気候に大きく区分される。春先の琵琶湖貯水量は、主として冬季の降雪による湖北部山岳地からの融雪流入水量によって賄われている。降雪・融雪・流出の過程をモデル化する時、琵琶湖集水域は積雪と融雪が同時進行する、いわゆる暖地性積雪地域であることに留意しなければならない。すなわち、他地域で作成されたモデルをそのまま適用すると誤差が大きくなる。そのためには、まず基礎資料を集積しなければならない。当研究者らは従来から琵琶湖を取巻く山岳地域に、雪の影響の少ない湖南部で1流域、同じく湖南であるが、高標高で、降雪の影響のあるところで1流域、そして毎年1〜2mの積雪の生ずる湖西部で1流域を選んで、それぞれ水文観測を実施してきた。今回、滋賀県琵琶湖研究所と共同で、多積雪地域である湖北部の山岳地域においても水文観測を開始した。その気温・日射量等の気象観測器具と記録計の購入に当科学研究費の補助を充てた。そして従来の観測流域においても気象観測を充実させた。解析としては、湖南部の積雪の影響の少ない流域の10年間の観測記録から、まず、降雨・流出のモデル化の作業を進め、これは「水循環モデル」として完成させた。このモデルは融雪から流出への変換に用いることになる。また、湖西部の積雪流域を中心とした山岳地域の積雪量分布を推定する方式を確立させた。この方式は琵琶湖を取巻く山岳地の積雪分布を推定する上で有用である。さらに、同じく湖西部の山岳地で、小型ライシナーターによる融雪量の観測を行ない、気象要素との関係をモデル化した。この観測は本年度も継続しており、さらに改良を加えて、より汎用的な推定モデルとする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 友村光秀: 京大演習林報告. 54. 106-120 (1982)
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[Publications] 福嶌義宏: 京大演習林報告. 56. 121-127 (1984)
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[Publications] 福嶌義宏: 京大演習林報告. 57. 162-185 (1986)
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[Publications] Yoshihiro FUKUSHIMA: Bulletin of Glacier Research. 1. (1987)
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[Publications] 福嶌義宏: 京大防災研究所水資源研究センター研究報告. 7. (1987)
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[Publications] Yoshihiro FUKUSHIMA: J.of Hydrological Processes. 1,2. (1987)