1986 Fiscal Year Annual Research Report
森林の微地形と土壌堆積腐植様式の関係についての研究
Project/Area Number |
61560168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 博清 京大, 農学部, 助手 (60109048)
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Keywords | 土壌堆積腐植層 / 斜面地形 / 土壌微形態 / 広葉樹林 / アカマツ林 / ヒノキ林 |
Research Abstract |
調査地を京都市の京大上賀茂試験地のアカマツ-ヒノキ混交林,京都府芦生の京大芦生演習林内の落葉広葉樹林,京都市山科のヒノキ,マキの人工造林地の3ケ所に設定した。 土壌堆積腐植層の発達を、芦生の落葉広葉樹林における一斜面地形にそって調査を行なった。斜面上部から下部にと地形に伴った土壌堆積腐食層の構造的 量的な変化が認められた。斜面下部においては、Mull型の土壌腐植が認められ、上部においては、Mor〜Moder型の土壌腐植の堆続が認められた。山科におけるヒノキ人工林において、斜面上部と下部における土壌堆積腐植を調べた結果、斜面上部にはMor,下部でModer型の堆積が認められた。これら2つの調査地における斜面地形に伴う土壌堆積腐植の様式が明らかにされた。 上賀茂のマツ林において12×12mの小地域における林床の地形の変化に伴う土壌堆積腐植の様式と、堆積量を調べた。土壌堆積腐植はModer型を示し、その堆積量は地型の変化に対応して異なっていた。 野外における土壌堆積腐植層の測定の結果をもとに、各々の調査地における代表的な堆積腐植層を採集し、実験室において土壌堆積腐植の構造を顕微鏡により観察した。土壌堆積腐植層の微形態の観察を行なうにあたって、新しい土壌断面観察の方法を考察した。この土壌微形態の方法によって、土壌の堆積腐植の形成過程を推定し、地形と土壌堆積腐植の形成過程の関係を調べた。次年度は、芦生において示面積内の林床地形に伴う土壌堆積腐植の量変化を調べる予定である。
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