1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560174
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60041670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 照雄 鹿児島大学, 農学部, 助手 (20094170)
地頭薗 隆 鹿児島大学, 農学部, 助手 (50145455)
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Keywords | 山くずれ / 山くずれの周期性 / 樹木編年学 / 表層土 / しらす / 風化花崗岩 |
Research Abstract |
本研究は, 表層滑落型のような山・崖くずれを対象にして樹木年代学と火山灰編年学の手法を用いて, 山・崖くずれの周期性を解明し, それを利用して山・崖くずれの危険斜面を予測しようとするものである. 本年度は, 鹿児島市のしらす地域と宮崎県市房山の風化花崗岩地域を主な調査地として山・崖くずれの履歴と斜面表層に形成された土層厚を踏査・計測した. この結果, 次のような点が明らかになった. 1) しらす地域, 風化花崗岩の両地域とも, 斜面には古い山・崖くずれ跡地と新しい山・崖くずれ跡地が複雑に入り交って形成されている. 斜面の同じ部位で山・崖くずれが再起する周期は風化花崗岩地域で200〜300年, しらす地域(傾斜45度以上の急斜面)で70〜100年である. 2) 山・崖くずれ跡地では, 植生の回復に伴って次の山・崖くずれの素因となる表層土がしだいに発達する. 表層土が崩壊の限界厚(しらす地域で30〜50cm, 風化花崗岩地域で50〜80cm)に達するために要する期間は, しらす地域で70〜80年, 風化花崗岩地域で200年程度である. 土層厚は山・崖くずれの履歴とよく対応しており, 若い山・崖くずれ跡地で薄く, 古い山・崖くずれ跡地で厚くなっている. 3) 土層厚が30cm(しらす地域), 50cm(風化花崗岩地域)程度以下の比較的新しい山・崖くずれ跡地では新たな山・崖くずれは発生していない. すなわち, 山・崖くずれが発生する恐れのある斜面は, 土層厚が30cm(しらす地域), 50cm(風化花崗岩地域)以上の比較的古い山・崖くずれ跡地の斜面である. こうした斜面を抽出することによって危険斜面の予測が可能である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 下川悦郎, 地頭薗隆, 高野茂, 鍋田寛志: 第99回日本林学会大会講演要旨集. (1988)
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[Publications] 下川悦郎, 地頭薗隆, 高野茂, 鍋田寛志: 昭和63年度砂防学会研究発表回概要集. (1988)
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[Publications] Shimokawa, E.;Kitamura, R.;Jitousono, T.;Nakamura, J.;Joumoto, K.: Proc. Int. Conf. on Engineering Problems of Regional Soils.