1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560199
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
梶田 ひろむ 京府大, 農学部, 助教授 (90046467)
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Keywords | パーティクルボード / 配向性パーティクルボード / 樹脂加工 / フェノール樹脂 / 寸法安定性 / 木材の化学加工 |
Research Abstract |
本研究は、低分子量樹脂の木材実質への浸透が良好である点に着目して、分子量分布の広いフェノール樹脂を用いて、その内の分子量の小さい樹脂を小片への含浸に、高分子量のものを小片間の接着に供することにより、従来のパーティクルボードの欠点である吸湿・吸水によるボードの厚さ方向の寸法変化を改善し、さらに小片を配向させることによって強度的にも満足し得る構造用パーティクルボードの製造法を確立しようとするものである。 1.樹脂の分子量分布についてGPCにより検討した結果、含浸用樹脂の数平均分子量は389,接着用のそれは962であった。 2.小片への樹脂含浸法として浸せき法と噴霧法について検討した結果、前者の場合、樹脂液濃度と小片中の含脂率の間に直線関係があり、樹脂液濃度と浸せき時間を調節することにより、小片中の含脂率の規制が可能である。 3.樹脂含浸ボードのMORは、ボード比重に依存して直線的に増加するが、含脂率にはあまり影響されない。MOEは含脂率の増加とともに増大する。湿潤MORの残存率は大きく改善され、含脂率10%で90%となる。 4.はく離強さは、含脂率の増大とともに大きくなり、高比重域でその傾向が顕著である。 5.吸水率は、ボード比重の増大で高含脂率ほど低くなる傾向があるが、吸水厚さ膨張率は、含脂率5%で無処理ボードの半分以下となる。また、含脂率15%以上では、含脂率の増大による影響は少なく、さらに、ボード比重の影響をうけない。 6.曲げ性能からみると、フェノール樹脂含浸処理ボードは、含脂率を大きくしすぎると若干脆弱となるが、1.5%の低濃度の樹脂液に浸せきし、含脂率5%で常態MOE,湿潤曲げ性能および寸法安定性を大きく改善できる。
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