1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560272
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑原 孝雄 阪府大, 農学部, 助教授 (70081528)
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Keywords | A.E.(アコースティック・エミッション) / 破壊機構 / 弾性波 / 材料破壊 / スペクトル / クラック / 材料破壊 |
Research Abstract |
今年度は、当初計画通り従来所有のA.E.基本計測システムに、新たに今年度購入したデイジタルオシロスコープ及びスペクトルアナライザーとしてのパーソナルコンピュータを付加して、コンクリート,岩石などに対する破壊実験から、A.E.波形をとらえ、それらをスペクトル解析出来るシステムを構成した。これらのシステムから得た結果より次のような知見を得た。 1.破壊形態(圧縮,割裂,セン断)の違いにより、スペクトル分布には、それぞれに卓越性が見られ、これらより材料の破壊機構として、(1) 材料分離かすべり破壊により高周波成分と低周波成分がそれぞれに対応する傾向にあること。(2)構成材料により種々の卓越性が見られることなどが明らかとなった。 2.セン断破壊時(セン断面を人為的に挿入したものに対して)の初期セン断強度はセン断面積と相関性の高いことがA.E.波の発生状況から確認出来ること。しかし、スペクトル分布は、比較的なだらかなものとなり、周波数の区分には、更に適確なA.E.波発生時のタイミングを設定する必要のあることが分かった。 3.より詳細なスペクトル区分をするためには、アナライザーのソフトプログラムの改良が必要であると同時に、同一条件下でのより多くの実験を要することが判明した。 従って、次年度はこれらの結果を踏まえて、各種破壊形態毎のA.E.波を精度良くとらえ、各種サンプリング条件下でのスペクトル解析を実施し、材料破壊時のA.E.波スペクトルの物理的意味をより明確にし、A.E.波のスペクトル特性と材料破壊機構とのかかわりを明らかにしたい。 その結果から、材料破壊初期のクラックの発生状況のモデル化を試みる予定である。
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