1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560274
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
戸次 英二 弘前大学, 農学部, 助教授 (30003429)
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Keywords | ローテーション / エネルギー消費率 / 胴割れ / 被害粒 / 結露 |
Research Abstract |
生籾の一時貯留を確実かつ低費用で行うため、密閉貯留槽に除湿器をエア・パイプで連絡した循環気系を構成し、有効な貯留・乾燥方法を探る実験を1986年から継続して行ってきた。最終の本年度はもみ層の厚さを実用規模の1mに上げた貯留槽とそれに見合う能力の除湿器を組み合わせた実験装置を新たに製作した。もみ水分28.7%と27.5%の2回反覆実験で、通気量を籾100kg当り0.025m^3/Sにとり、下向きの通気とした。 初回は除湿器の湿度自動制御を低く設定したため、上層の乾減が速く、不注意から水分10%を割る過乾にしてしまい、重胴割れを多発させた。2回目は上層の籾水分が15%でローテーションを入れる操作を4回行って、全層の平均水分が87.5hで15%に達した。この間の毎時平均乾減速度は0.12%/hであった。 除湿器から発生した熱量は貯留槽の入気部で表層もみの乾燥に総て消費され、急速な乾燥と穀温低下をもたらした。蒸発した湿分は下層へ押し下げられて、湿度を飽和近くまで上げ、温度は途中もみへの熱移動で小さな低下にとどまり、混合比は増加してエンタルピが高くなった。 ガスクロマトグラフによる循環器のO_2とCO_2の濃度測定で、大気とほとんど変わっていないことが確認された。よって排気部に近い下層は好気性菌の繁殖に好適な条件下にあった。 上層もみの過乾による胴割れ回避、上下層の水分較差の縮小、乾・湿もみの混合による水分移行、下層内壁面における結露の乾燥と吸湿もみの好気性菌による汚染防止のため、静置厚層の少量通気乾燥ではローテーションが不可欠であることを再認識した。水1kgを乾燥するに要した電力量は0.992kwhで、電気ヒーターやオイルバーナーを用いた加熱乾燥装置と比較して1/2程度のエネルギー消費ですむことが確認された。 今後、通気量とローテーションの関係を明らかにして行きたい。
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