1986 Fiscal Year Annual Research Report
家畜の卵胞発育に関する内分泌学的機序-特にFSHとインヒビンの関連について-
Project/Area Number |
61560295
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長谷川 喜久 群大, 医学部, 助手 (40092001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 薫 群馬大学, 医学部, 助手 (30125877)
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Keywords | ブタ / ウシ / 卵巣性インヒビン / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
1985年から1986年にかけて、我々の研究グループと他の2,3ケ所でほぼ同時に豚と牛の卵胞液中のFSH分泌抑制物質,インヒビンの精製に成功した。ついで遺伝子工学的手法を用いて化学構造の全容が明らかにされた。その化学構造はαとβ鎖の二本鎖から成り、その構造内にproteaseにより特異的に切断される部位を内在しているために、分子量的にも多様性がある。このように複雑な分子形態を有するインヒビンを大量に精製することは容易ではなく、それらの抗体を作成するに充分な量を得ることは、殆んど不可能であった。しかしながら、我々の研究により以下のような成果を得ることができた。1.従来から通常使用されている分離方法と異なるアフィニティークロマト,8モル尿素を含んだ緩衝液,逆相のHPLCを用いることにより、収率よく豚と牛のインヒビンを得ることができた。2.豚インヒビンの純品を家兎とニワトリに免疫し、抗体を作成することに成功した。3.この抗体を用いて末梢血中レベルのインヒビンの測定可能な、高感度のRIA系を確立した。4.豚インヒビンの抗体とラットインヒビンの交差を利用してラットのインヒビンのRIA系を確立した。5.牛インヒビンの純品を用いて単クローン抗体を作成した。その抗体によりimmunoaffinityクロマトを行い大量の精製牛インヒビンを得ることができた。6.精製牛インヒビンを家兎に免疫し多クローン抗体を作成した。7.この牛インヒビン抗体を用いて牛の末梢血中インヒビンの測定可能な高感度のRIA系を確立した。 これらのRIA系を用いて、豚,牛およびラットにおける血中のインヒビンの動態を解析することが可能となった。次年度において明らかにしたい。 本研究費の補助金により上記の実験のような充分な成果を挙げることができた。
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[Publications] K.Miyamoto;Y.Hasegawa;M.Fukuda;M.Igarashi: Biochem.biophys.Res.Commun.136. 1103-1109 (1986)
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[Publications] Y.Hasegawa;K.Miyamoto;M.Fukuda;Y.Takahashi;M.Igarashi: Endocrinol.Japon.33. 645-654 (1986)