1986 Fiscal Year Annual Research Report
排卵-放卵に関するプロスタグランジンとバソトシンの共同制御機構
Project/Area Number |
61560301
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島田 清司 名大, 農学部, 助教授 (40065579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 蔵 名古屋大学, 農学部, 助手 (90115543)
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Keywords | ニワトリ / 排卵 / 放卵 / 卵巣 / 子宮 / プロスタグランジン / バソトシン |
Research Abstract |
〈目的〉ニワトリの放卵を調節する物質としてプロスタグランジン(PG)と下垂体後葉ホルモン(アルギニン・バソトシン・AVT)、さらに卵巣に含まれる放卵誘起因子があるといわれているが、それ自身の放出機序や相互関係については不明である。従って、本研究は前二者の血中動態から放卵調節の一端を明らかにすることを目的として行った。 〈方法〉クラッヂが4以上を示す産卵鶏(約300日齢)を使用した。子宮筋電図電極を慢性的に植込み子宮電図を測定しながら一定間隔で上腕静脈カテーテルから採血を行いPGF、PGEおよびAVTの血中値をRIAにより測定した。実験1:早期放卵:予想放卵時刻の3時間前に、実験群にはPGE2(1μg)を、対照群には生理的食塩水をそれぞれ子宮内に投与した。実験2:遅延放卵:予想放卵時刻の3時間前に、実験群にはインドメタシン(Indo,5mg)を、対照群にはゴマ油をそれぞれ胸筋に注射した。 〈結果〉実験1.PG【E_2】投与後3〜7分に早期放卵が起り子宮運動と血中AVT濃度の有意な増加がみられたがPG値には変化がなかった。対照群では生理的食塩水投与に対し放卵は誘起されず測定値にも有意な変化はみられなかった。予想放卵時刻には、対照群は実際、放卵をしこの時AVTとPGF濃度は有意に増加した。一方、実験群でも子宮内に卵が存在しないにもかかわらず、子宮運動とPGF濃度は有意に増加した。実験2.Indo投与によって放卵は8〜12時間遅延した。予定放卵時刻にはわずかながら子宮運動は増加したがAVTとPGF濃度には有意な増加がみられなかった。 以上の結果から、子宮運動の顕著な増加は、PG放出の誘起はしないが下垂体後葉ホルモン(AVT)の放出を誘起しうること。PGF放出には一定のリズムがあることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shimada,K.: Poultry Sci.65. 1796-1800 (1986)
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[Publications] Shimada,K.: Gen.Comp.Endocr.64. 362-367 (1986)
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[Publications] Olson,D.M.: Biol.Reprod.35. 1140-1146 (1986)
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[Publications] Shimada,K.: Biol.Reprod.35. 1147-1153 (1986)
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[Publications] Saito,N.: Biol.Reprod.36. (1987)
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[Publications] Shimada,K.: J.Reprod.Fert.80. (1987)
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[Publications] Shimada,K.ed.;K.Hoshino,: "Kyoto Prolactin Conference Monograph Vol.【II】.Plasma prolactin and estradiol concentrations in relation laying,incubation and raising in Japanese strain of dwarf bantams,Chabo." 京都第一印刷所, (1987)