1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560309
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 耕作 九大, 農学部, 助教授 (50038220)
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Keywords | 鶏卵巣の体外灌流 / 卵胞の排卵 / プロジェステロン単独排卵誘誘起 |
Research Abstract |
鶏をと殺し、腹大動脈内にカニューレを挿入したのち卵巣を摘出して体外で灌流する方法を考案し成功した。灌流液は、インシュリンとチロキシンを含む培養液を用い、温度41℃,卵巣動脈内圧力30-40mmHgの範囲で灌流を行なった。用いたGTHはNIAMDD-OLH-22(2.3U/mg)及びNIAMDD-OFSH-13(15U/mg)である。また、ステロイドゲネシスの阻害剤としてはクロミヘンサイトレイトを使用した。添加されたホルモン及び阻害剤はすべて灌流液1l中の溶量をあらわしている。灌流によるクラッチ第1卵胞の排卵結果は次のとおりである。 1.LH0.2及び1U添加した場合、排卵率はそれぞれ43,46%であった。 2.LHIUにFSHIUを同時に添加すると単独投与のほぼ2倍の排卵率(88%)が得られた。 3.FSHIUにプロジェステロン(100μg)を加えた場合も高い排卵誘起効果(85%)を示した。 4.プロジェステロン50及び100μgの単独投与でも排卵がそれぞれ40及び80%誘起されたが、100μgの場合は排卵はむしろ阻害された。 5.LHIU及びFSHIUの両者の添加による誘起排卵に対し、クロミヘンサイトレイトを投与すると排卵は明らかに阻害された。 以上のことから、排卵を誘起する最終ホルモンはLHではなくプロジェステロンであると云うことがわかった。
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