1986 Fiscal Year Annual Research Report
畜肉の色調現象に関するミオグロビン誘導形態のシミュレーション解析
Project/Area Number |
61560319
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
泉本 勝利 帯広畜産大, 畜産学部, 助手 (70003142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 正幸 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40003107)
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Keywords | 畜肉の色調現象 / ミオグロビンの誘導形態 / 酸素型 / 還元型 / メト型 / 反射率スペクトル / 非破壊測定法 / コンピューターシミュレーション |
Research Abstract |
本研究は畜肉の色調現象とミオグロビン誘導形態の相互関係をコンピューター解析によって定量的かつ体系的にグラフィック表示すべく解明することを目的とした。 1.非破壊的測定法である反射率スペクトルのデータは測定と同時にコンピューターの記録媒体に収録するシステムを開発し、得られたデータを解析した。化学成分であるミオグロビンの誘導形態の割合は【inv.R】スペクトルの特定波長の【inv.R】値を変数とする関数によって定量化され、従来の直接測定法で困難であった酵素型、還元型、メト型の3種の誘導形態の割合を同時に測定することが可能になった。色調はCIELAB1976によって数値化した。 2.ミオグロビン誘導形態の相異は色調現象のうち色度に強く反映した。そこで、色度について解析し、ミオグロビン誘導形態との相互関係を把握するための色調から導かれる指標を検討した。指標は【a^*】【b^*】色度から導かれる面積比が最適であった。面積比は3種の誘導形態の典型的な色度値を頂点とする三角形において、各頂点のと試料の色度値を結ぶ直線で分割される割合で示され、これを感覚量としてのミオグロビン誘導形態とした。 3.化学成分としてのミオグロビンと感覚量としての色調には有意の直線関係が認められた。直線回帰式からの偏差は大きいほど典型的な畜肉の色調と異なることを意味すると解釈され、色調とミオグロビンの関係が複雑になる要因と考えられた。 以上の成果から、今後の研究は得られた諸データを即時に表示することを検討する。まず、ミオグロビン誘導形態の相異を考慮したうえで、畜肉の色調としての典型性を客観的に数量化する。これとミオグロビン誘導形態、反射率スペクトル、色調を総合的に把握できるように、迅速にグラフィック表示を行うことに発展させる。
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