1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560327
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長谷川 信 神戸大, 農学部, 助手 (60107985)
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Keywords | 鶏 / 体脂肪 / 脂肪組織 / 脂肪細胞 / 高炭水化物食 / 低蛋白質食 |
Research Abstract |
鶏において、孵化後早い時期、即ち脂肪原始細胞の分裂が活発化する時期以前に、脂肪原始細胞内への脂肪蓄積が促進される様な栄養・生理的条件下に一時的に置くことにより、成熟時の脂肪細胞数、即ち体脂肪量を制御することを目的として、次の項目について検討を行なった。供試鶏は白色レグホーン種雄とし、脂肪組織として体脂肪率と高い相関を示す腹腔内脂肪組織(以後脂肪組織と略す)を用いた。 1.脂肪原始細胞の分裂活性の経時的変化の測定 活性測定は、【^3H】-チミジンのin vwo における脂肪組織DNAへの取り込み並びに脂肪組織DNA量の定量の両面から行ない、孵化後1,2,4,8,16,32,64及び128日令迄の変化を調べた結果,8〜16日令の間に細胞分裂活性,総DNA量並びに脂肪細胞数が急激に増加し始めることが判明した。 2.脂肪細胞中への脂肪蓄積を促進する栄養・生理的条件の検討 飼料中の炭水化物量の増加や蛋白質量の減少は、体脂肪蓄積量を増加させることが知られている。そこで、標記の条件を作り出す目的で、飼料中の蛋白質並びに炭水化物含量を各々段階的に変えて組み合わせた実験食(炭水化物:45,55,65及び75%,蛋白質:5,10,15及び20%)を孵化直後から、8〜16日令まで給餌後、脂肪組織から遊離脂肪細胞を調製し、光学顕微鏡下に細胞直径と細胞数を測定した結果、炭水化物含量が75%並びに蛋白質含量が10%の条件下で、細胞直径が最大で、しかも細胞数が少なくなることが判明した。 今後、孵化直後から、8〜16日令迄,2.で選定された食餌条件下で飼育し、以後正常食で成熟日令まで飼育して、その間の体脂肪蓄積量の変動を、経時的に調べる予定である。
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