1986 Fiscal Year Annual Research Report
無機物インバランス飼料摂取めん羊の上皮小体機能について
Project/Area Number |
61560329
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
寺島 福秋 北里大, 獣医畜産学部, 助教授 (30050529)
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Keywords | めん羊 / 上皮小体 / PTH / Ca動員量 / 低Mg血症 / グラステタニー / 無機物代謝異常 |
Research Abstract |
放牧反すう家畜の無機物代謝異常である低Mg血症(グラステタニー)はMg含量が低く、K含量の高い牧草を摂取した条件下で発症し易い。一般に反すう家畜の低Mg血症は低Ca血症を伴う事が多く、この様な生理条件下では血中無機物濃度の恒常性が維持出来ない可能性が考えられる。本研究では血中Ca濃度の恒常性調節に関与している上皮小体機能に着目し、無機物インバランス飼料(低Mgおよび高K飼料)摂取めん羊の上皮小体ホルモン(PTH)分泌状態および血中Ca動員量を検討した。 MgおよびK含量のそれぞれ異なる4種類(正常Mg-正常K,低Mg-正常K,正常Mg-高K,および低Mg-高K)の飼料を一定期間給与した後、EDTA-2Na溶液を60分間頚静脈より注入し、血中【Ca^(++)】およびPTH濃度の経時的変化を測定した。実験成績は以下の通りである。 1.EDTA注入後のPTH濃度の増加割合と【Ca^(++)】の低下割合で示される上皮小体分必係数は低Mg-高K区で最も低く、低Mg-正常Kおよび正常Mg-高Kでほゞ同じ値を示した。これらの値は正常Mg-正常K区のそれより有意に低かった。 2.EDTA注入後のPTH最大値と注入前の基礎PTH値で表わされる上皮小体分必刺激係数は1で見られた分泌係数の傾向と同じであった。 3.EDTA注入時(60分間)における血中へのCa動員量は正常Mg-正常K区,低Mg-正常K区,正常Mg-高K区および低Mg-高K区でそれぞれ4.9,3.6,2.4および2.4mmolの値を示した。 以上の成績は反芻家畜がMg含量の低いK含量の高い飼料を摂取した場合、PTH分泌能が低下し、血中へのCa動員量が抑制されることを示唆した。これらの事から反すう家畜のグラステタニー発症の一要因として無機物インバランス飼料摂取に伴う上皮小体機能の低下が考えられる。
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Research Products
(1 results)