1986 Fiscal Year Annual Research Report
肝親和性コロナウイルス持続感染による慢性肝炎の実験的研究
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61560342
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
後藤 直彰 山口大, 農学部, 助教授 (70011989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 山口大学, 農学部, 助手 (80035112)
甲斐 一成 山口大学, 農学部, 助教授 (60085628)
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Keywords | 慢性活動性肝炎 / MHV / ヌードマウス |
Research Abstract |
胸腺欠損ヌードマウス(BALB/C,nμ/nμ)に持続感染性マウス肝炎ウイルスMHV-2CCを2X【10^5】PFU膜腔内接種すると、マウスは18〜90日に斃死した。病変は肝に限向して認められ、肉眼的に肝表面は顆粒状あるいは小結節状でほとんど原形を止めなかった。肝のウィルス価は接種3日後より【10^3】PFU/0.2g以上を示し、斃死時迄、高い値が持続された。ウィルス抗原は抗種後2日目から肝細胞の細胞質中に観察され、次第に病巣周辺の肝細胞に広がった。 病理組織学的には肝の多発性巣状変性あるいは壊死が特徴的で、単純細胞および好中球の浸潤が顕著であった。長期間生存例では病巣周辺部の結合織増生および癒痕形成が認められた。結合織は病巣部をグリソン鞘を結び、小葉構築を変化させた。また、細胞反応を伴なわない肝細胞の塊状壊死も認められ、虚血性変化と考えられた。 微細形態的には、ウィルス粒子は比較的健常な肝細胞の細胞質で増殖が認められ、細胞外への放出も細胞破壊を伴なわかった。中等度に変性した肝細胞ではウィルス粒子産生の前駆構造が細胞質内に出現し、種々の状態にある前駆構造が認められた。重度の変性肝細胞が細胞質内で多量のウィルス粒子の産生が起り急速に拡散することが認められた。クッパー細胞,浸潤マクロファージ内でウィルス粒子が産生される証拠は得られなかった。 これらの所見から持続感染性肝炎は、ほぼ健常な肝細胞の細胞質内にウィルス抗原の蓄積,産生が起ること、肝細胞の変性・壊死はウィルスによる直接的障害の他に血流の変化による増悪がなされることが示され、ヒトの慢性肝炎の病理発生に類似し、適切な実験モデルとして本実験系が有用であることが示された。
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Research Products
(2 results)