1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560357
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
高橋 清志 酪農大, 酪農学部, 助教授 (90048108)
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Keywords | ウシ / Theileria sergenti / シゾント / スポロゾイト / メロゾイト / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
1.粗抗原の作出:フタトゲチマダニの唾液腺からスボロゾイト(SP)を効率的に回収する方法を検討するため幼ダニ期と若ダニ期に同一条件の感染血液を吸血させて比較したところ、幼ダニ吸血の方が高率にSPの出現することが明らかになった。この方法で確実に感染力を有するSPが回収され、これをSP粗抗原とした。次の発育ステージであるウシリンパ球内のシゾント(SC)は、従来検出がきわめて困難とされ存在も疑問視されていたが、9頭の実験中に条件をかえた分離SP接種および感染ダニ寄生4〜6日後にリンパ球内(リンパ節穿刺液および末梢リンパ球)にマクロSCの出現が確認できた。しかしモノクロナール抗体作製にはさらに高寄生リンパ球を作出する必要があった。今後はこの発育ステージをin vitroで再現し、SCやSPモノクロナール抗体の評価に使用したい。赤血球内寄生メロゾイト(Me)の粗抗原は摘脾牛に感染血液を接種して、得られた高率感染赤血球を低張処理および超音波処理して作製した。 2.モノクロナール抗体の作出:Theileria sergentiのMeに対するモノクロナール抗体を作出するために、上記の可溶性粗抗原をBALB/Cマウスに免疫し、その脾臓リンパ球と骨髄腫細胞【P_3】/x63-Ag8-653との細胞融合法を行った。得られた17個の特異抗体産生細胞のうち、軟寒天上でクローニングを2回行ない、13個のクローンを得た。それらをプリスタン処理マウスの腹腔に接種して腹水を採取した。腹水は螢光抗体法で虫体と特異的に反応し(1:2〜1:2,000)、ELISAでも陽性(1:1,000〜1:32,000)であった。この13種の抗体のマウス免疫グロブリンクラスとサブクラスは、Ig【G_1】,Ig【G_(2b)】,Ig【G_3】,IgMおよびIgAであった。ウエスタン・ブロット法により、一部の抗体は今子量32,000あるいは23,000の抗原を認識していた。なおSPとSCのモノクロナール抗体はSPで作製可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高橋清志: 日本獣医学雑誌. (1987)
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[Publications] 小林延竹: 日本獣医学雑誌. (1987)
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[Publications] 高橋清志: 臨床獣医. 5(3). 69-75 (1987)