1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570019
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
平井 圭一 金沢医大, 医学部, 教授 (60027092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 忠司 金沢医科大学, 医学部, 助手 (80151794)
盛口 敬一 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30139779)
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Keywords | パラコート / ブロムベンゼン / チトクロームオキシダーゼ / ミトコンドリア傷害 / 人工気管 / コラーゲン / 活性酸素産生 / ペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
環境化学物質のうち、除草剤パラコートと工業用有機溶剤ブロムベンゼンによる肺傷害機構に関し、新知見を得た。また当該テーマを効果的に遂行するために必要な酵素活性検出の方法論および肺細胞の生物活性を明らかにした。 1.パラコート毒性に関し、従来の小胞体過酸化説は試験管でのみ通用し生体では起こらず、真の標的はミトコンドリアであることを明らかにした。 2.パラコートは、1)チトクロームオキシダーゼを拮抗的に阻害し、2)NADH-チトクロームC還元系のバイパスを形成することを明らかにした。 3.ブロムベンゼンは細気管支上皮のクララ細胞を特異的に傷害した。壊死した細胞に代わって新しいクララ細胞が線毛細胞から変換再生することを見出した。これは全く新しい細胞分化機構の発見である。 4.関連分野としては、 1)通常の環境で飼育した動物の気管上皮にペルオキシダーゼ活性が検出されるが、清浄な空気下では検出されず、細菌感染や化学物質の吸入で、気道系上皮が刺激を受けていることが明らかになった。 2)電顕組織化学的なチトクロムオキシダーゼ定量法を開発し、その結果肺細胞種によって、呼吸活性にかなりの差があることを見出した。 3)肺胞大食細胞は、他のマクロファージに比べ電顕組織化学的に活性【O_2】産生能は弱いことが明らかになった。 4)ポリプロピレン製人工気管を移植するさい、コラーゲンをコートすると正常な上皮の再生が誘導されることが明らかになった。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 平井圭一: J.Electron Microsc.35. 19-28 (1986)
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[Publications] 青木稔: Exp.Mol.Pathol.44. 83-92 (1986)
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[Publications] 盛口敬一: Acta Histochem.Cytochem.19. 465-472 (1986)
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[Publications] 清水慶彦: 人工臓器. 15. 299-302 (1986)
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[Publications] 平岡俊佑: Acta Histochem.Cytochem.19. 429-436 (1986)
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[Publications] 平井圭一: 病態生理. 5. 809-812 (1986)
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[Publications] 上田忠司: 5. 887-891 (1986)
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[Publications] 伊野木清三: Toxicol.Appl.Pharmacol.(1987)
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[Publications] 伊野木清三: Toxicology. (1987)
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[Publications] 平井圭一: Anat.Rec.(1987)
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[Publications] 上田忠司: Anat.Rec.(1987)
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[Publications] 平井圭一: "細胞膜と炎症'86炎症セミナー" 日本医学館, 81 (1986)
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[Publications] 平井圭一: "Recent Development of Electron Microscopy 85" 日本電子顕微鏡学会, 370 (1987)
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[Publications] 上田忠司: "Electron Microscopy 1986" 日本電子顕微鏡学会, 3546 (1986)
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[Publications] 平井圭一: "病理組織化学とその技術" 医歯薬出版株式会社, 416 (1986)