1986 Fiscal Year Annual Research Report
上皮の機能分化と上皮内リンパ腔の立体微細構造の相関に関する研究
Project/Area Number |
61570021
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三好 萬佐行 福岡大, 医学部, 教授 (80077536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 緑 福岡大学, 医学部, 助手 (20153687)
辻 俊雄 福岡大学, 医学部, 助手 (00140749)
小川 皓一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60078780)
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Keywords | 上皮内リンパ腔 / コルチ器 / 腸管上皮 / ファブリシウス嚢 |
Research Abstract |
上皮の機能分化に伴った上皮内リンパ腔を下記の器官について検策した。1.コルチ器 上皮内細胞間腔は特異な分化をし、内外のトンネル,ヌエル氏腔,および有毛細胞(感覚細胞)間腔が区別される。有毛細胞は円柱状で、上端が内リンパに接するが、基底端は支持細胞に包まれていて、直接基底板に接することはない。上皮内の神経線維は付随する構造物のない裸の神経突起であり、トンネル輪状線維は神経束(ネコでは極めて少い)を形成するが、その他の領域では相互に接することのない、個々に離れた位置を伸びており、隣接する支持細胞境界を見え隠れして伸びる。また林立する支持細胞列に沿って伸びる神経線維群は平行して配置され、それぞれの線維は支持細胞側面細胞質に沈み込ませられて固定されている。有毛細胞末端に接する神経終末釦は支持細胞突起に覆われて上皮内リンパ腔に露出することはなかった。コルチ器基底板に接する鼓室階(外リンパ腔)は主に階の長軸方向に走る杆状細胞が粗な網で壁を形成している。 2.腸管 小腸絨毛では吸収上皮細胞間に規則正しい配列の細胞間隙の発達があった。同様な構造は胃の表面粘液上皮、腸線内吸収上皮細胞間にも形成されるが、小腸絨毛における構造よりも発達が悪い。パイエル板のリンパ小節被蓋上皮細胞では、通常の上皮細胞間接着構造に比べ、逸かに幅の広い接着帯が発達していた。 3.ファブリシウス嚢 上皮性細網の典型である嚢リンパ小節で、小節の位置によって細網細胞の表面形態、配列が異っている。 小節髄質では海綿状被蓋上皮の基底側は紐状あるいは樹根状に分枝し、上皮直下の細網は板状あるいは杆状の細胞で、被蓋上皮円板の中心に収斂して配置されていた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 三好萬佐行: 病態生理. 5. 557-560 (1986)
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[Publications] 三好萬佐行: 臨床と研究. 63. 3140-3145 (1986)
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[Publications] 三好萬佐行: in preparation.
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[Publications] 三好萬佐行: in preparation.
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[Publications] 小川皓一: proc.【XI】th Int.cong.on Electron Microscopy,Kyoto,. 2483-2484 (1986)