1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川村 光毅 岡山大学, 医学部, 教授 (40048286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 勝彦 岡山大学, 医学部, 助手 (30152523)
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Keywords | 脳組織の移植 / 小脳 / 下オリーブ核 / 登上線維 / 神経再生 / 可塑性 |
Research Abstract |
マウス(AKR系, CBA系, C3H系, BALB/C系)およびラット(Wistar系)を使用して, 同種同系, 同種異系および異種間の脳組織移植を行った. ドナー(供与者)としてマウスの胎生延髄腹内側部(Fオリーブ核原基を含む)を, ホスト(宿主)として成体マウスまたは成体ラットの小脳虫部を用いた. このほか, ドナーとしてマウスあるいはラットの小脳原基を用いた. この移植実験において, ホストの下小脳脚部を切断または3-アセチルピリジン(3-AP)の腹腔内投与により, Fオリーブ核をあらかじめ破壊しておき, 登上線維系を含む小脳求心性入力を遮断した. 対照として未処理のホストも使用した. 移植後一定期間(数週間から数カ月間)生存せしめたのち, 形態学的検索を行った. 1.小脳切断, 3-AP切断のいづれの方法によってもマウスを用いた実験で成功させることが困難であったので, ホストとしてラットを用いることにした. この移植前の処置によりFオリーブ核ニューロンの変性, 脱落が認められた. 2.光顕的にFオリーブ核ニューロンを(1)抗コルチコトロピン放出因子CCRF)抗体を用いて, または(2)ブロモデオキシウリジン(Brdtt)投与法にて標識し, 宿主プルキンエ細胞と胎仔Fオリーブ核ニューロンとの接触を観察しょうと試みたが, それを明らかに証明できる標体を得ていない. 3.胎仔脳幹原基が上記の処置をうけた成体ラット小脳内に移植された例で電顕的に観察することにより, 小型円形のシナプス小脳を多数含んだ胎仔組織由来の登上線維軸索終末が宿主由来のプルキンエ細胞樹状突起井棘に可成り多くのシナプス形成像を認めた. 4.同種異系間および異種間移植例において浸潤したTリンパ球サブセットの解析を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河村光毅他: Annals of the New York Academy of Sciences. 495. 726-729 (1987)
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[Publications] 河村光毅他: Experimental Brain Research. 70. (1988)
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[Publications] 伊達勲, 河村光毅他: Neuroscience Letters. 86. 17-20 (1988)
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[Publications] 河村光毅: 日本医師会雑誌. 98. 1277-1284 (1987)
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[Publications] 河村光毅他: 日本臨床. 45. 2992-2996 (1987)
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[Publications] 小野勝彦他: Brain Research.