1986 Fiscal Year Annual Research Report
培養平滑筋の分化過程の神経伝達物質受容膜の単一Caイオンチャネル電流の解析
Project/Area Number |
61570035
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪又 八郎 東北大, 医学部, 助教授 (20004591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江刺 正善 東北大学, 工学部, 助教授 (20108468)
松谷 豊 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (80006072)
|
Keywords | Caイオン電流 / 単一イオンチャネル / 平滑筋β受容体 / 電圧クランプ / DBCAMP / 培養平滑筋細胞 |
Research Abstract |
1)筋受容膜のCaとKイオンチャネルの巨視的・微視的イオン電流の測定と解析ー今回は主としてβアドレナリン受容体を介する抑制効果で作動する受容膜イオンチャネル機構に関して、βアゴニスト(イソプレナリン、ISOとDBCAMP)のモルモット精管・結腸紐の筋膜Caイオンチャネルに対する調節を多細胞体電圧クランプ法により分析をし、従来推測されていたCaイオン流入減少説と相反するCaイオンチャネルコンダクタンスの上昇によるイオン電流の増強反応を指摘し、同時に活性化されるKイオンチャネル電流により干渉され見掛け上のCaイオン電流の減少をきたすものと結論した。特にこのKイオン電流の増強はパッチクランプ法単一Kイオンチヤネル電流の解析からイオンチャネル数の増加と開口時間延長によるものと判定することができた。この成筋の受容膜特性を背影にしてつぎの培養平滑筋でβ受容反応の発現機構を究明したい(猪又)。2)平滑筋の継代培養と筋細胞形態形成の修飾法の確立ーモルモット結腸紐・精管の初代培養平滑筋細胞がパッチクランプ実験に髄時供給しうる体制下にあるが、さらに筋細胞の分化に伴うイオンチャネル作動機構の推移を解明するために筋細胞のカーロン化細胞株の作成に着手し、細胞株の樹立の手掛りを得て、パッチクランプ実験に供しうる見 となった。さらに細胞内灌流の効率化とキメラ筋膜の作成を目的として筋細胞融合の実験を企画中である(猪又・松谷)。3)高速マイクロプロセッサによるパッチクランプ制御と膜雑音信号自動解析処理の多元機能システムの開発ー本システムのパッチクランプ制御の適応の可能性と有効性については第30回IUPS平滑筋機能サチライトシンポジウム(1986)で報告したが、さらにこのマルチプロセッサを利用して巨視的イオン電流波形の走量化解析と膜ノイズ信号のパクスペクトル解析の高速実行のハードソフトウェアの開発をした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hachiro Inomata: J.Physiol.Soc.Japan. 48. 161- . (1986)
-
[Publications] Hachiro Inomata: J.Muscle Res.Cell Mot.7. 285 (1986)
-
[Publications] Hachiro Inomata: Submitted to J.Muscle Res.Cell Mot.8. (1987)