1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570040
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 之大 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80034164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
保 智己 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60188448)
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80135251)
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Keywords | 松果体 / 高速液体クロマトグラフ / 視物質 / 免疫組織化学 / オプシン抗体 / ビジニン抗体 |
Research Abstract |
1.高速液体クロマトグラフによる分析 松果体のクロマトグラフで見られた特徴としては、ビタミンA_1系とA_2系の両者が混在していること、およびオールトランス型異性体の割合が多いことであった。その分析を続けた結果、次のような2つの可能性が考えられる。(1)視物質の分解に際して、メタロドプシンの段階で止っており、光によって再びロドプシンに戻る。その結果、オレンジ光の照射では光平衡状態が生じ、褪色が起こっていないようにみえる。 (2)別種の感光性色素を介してオールトランス型異性体を11-シス型に異性化している。いずれにしても、松果体視物質が光平衡状態になりうる性質を示したことは興味深いものがある。 2.免疫組織化学的研究 やつめ側眼の光受容細胞には長短2種類の光受容細胞があり、短い方がオプシン抗体に反応することから、杵体に対応するものとされている。我々は、まずオプシン抗体を用いて、松果体についての検討を行った。その結果、松果体光受容細胞の外節部分に明らかにオプシン陽性の部分が認められた。杆体型機能に対応するものと考えられる。 さらに、錐体と特異的に結合することがしられているビジニン抗体により検討したところ、これに陽性の光受容細胞もあることが認かめられた。その分布には松果体の周辺部であるという特徴が見られた。 またビジニン陽性細胞には、反応の強弱があることから、単一種でなく、松果体光受容細胞には複数の種類があることが明らかになった。 3.副松果体について 今まで、ほとんど知見が無かった副松果体についてもオプシン抗体、ビジニン抗体を用いて分析を行った。その結果、両型の光受容細胞の存在を明らかにすることができた。
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[Publications] Samejima,M.: Vision Research. 28. 251-258 (1988)
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[Publications] Kuo,C.-H.: Brain Research. 442. 147-151 (1988)
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[Publications] Morita,Y.: Advaces in Pineal Research. 3. (1989)
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[Publications] Morita,Y.: Archives of Histology and Cytology. 52. (1989)
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[Publications] 森田之大: 蛋白・核酸・酵素、特集 「視覚の分子メカニズム」. 749-757 (1989)
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[Publications] Morita,Y.: "Fundamentals and Clinics in pineal Research.Eds.Trentini,G.P.,Gaetani,C.D.and Pevet,P." Raven Press,New York, 161-164 (1987)