1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570047
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
細見 弘 香川医大, 医学部, 教授 (70030864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 信久 香川医科大学, 医学部, 助手 (50184974)
森田 啓之 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145044)
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Keywords | 圧受容器反射系 / 化学受容器反射系 / 調節力 / 開ループゲイン / 相互作用 / 時間的加算 / 空間的加算 / フェニレフリン |
Research Abstract |
化学受容器反射系と圧受容器反射系の相互作用を調べるためのコントロールとして、まず、各種圧受容器反射系(頸動脈洞圧受容器反射系(CS)、大動脈弓圧受容反射器系(Ao)並びに心肺領域圧受容器反射系(Cp))間の相互作用を調べておかなければならない。ウサギを用い、急速少量脱血法を用いて開ループゲイン(G)を求めた。CSとAoの相互作用は0.4、AoとCpは0.5、CpとCSは0.1、CSとAoとCpの3反射系が互に関与しているのは2.1であった。これらの相互作用系のGの合計は3.1であった。3つの反射系が全て一緒に働いた時のGは7.4であったので、その約42%が相互作用系であると結論できる。さらに、この結果より、3種の圧反射系間には空間的相互作用が存在するといえる。次いで、圧受容器反射系間の時間的相互作用が存在するか否かを検討した。イヌの両頸動脈洞を体循環系より遊離し、頸動脈洞の内圧を20mmHg上昇または下降させ、その時の体血圧の下降または上昇分を計測した。さらに、体循環系より急速少量脱血を行い迷走神経を介する圧反射系(V)の調節力を求めた。この両反射系に同時に入力を与えた時の調節力は6.7であった。頸動脈洞内圧を20mmHg下降させた後、5秒、15秒、30秒、60秒、120秒後に急速少量脱血を行って反射性血圧調節能(【G_5】、【G_(15)】、【G_(30)】、【G_(60)】、【G_(120)】)を求めた。【G_5】は2.3±1.2、【G_(15)】は1.9±1.3、【G_(30)】は1.7±0.6、【G_(60)】は1.6±0.6、【G_(120)】は1.2±0.7であった。【G_(120)】の値は、従来から報告されているV系の調節力とほぼ等しく、この値にはCS系の寄与は全く無い。【G_(120)】と有意の差を示すのは【G_5】、【G_(15)】、【G_(30)】であり、CS系の影響は30秒後まで続くと結論できる。すなわち時間的相互作用も存在する。さらに、フェニレフリンを用いて血圧調節能を求める方法の妥当性を検討した。フェニレフリンを投与して、急速少量脱血法によりGを求めるとGは顕著に低下した。従って、フェニレフリンを用いる方法はよくない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroshi Hosomi: American Journal of Physiology. 250. H944-H953 (1986)
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[Publications] Hiroshi Hosomi: Japanese Journal of Physiology. 36. 1165-1177 (1986)
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[Publications] Hiroshi Hosomi,edited by K.Nakamura: "Effects of phenylephrine on the responsiveness of baroreceptor reflex systems,in BRAIN AND BLOOD PRESSURE CONTROL" Elsevier Science Publishers, 455(6) (1986)