1986 Fiscal Year Annual Research Report
早期に目的地に到着した神経細胞の発生分化が遅れる要因に関する研究
Project/Area Number |
61570061
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小野田 法彦 群大, 医学部, 助教授 (60106903)
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Keywords | ウサギ / プルキンエ細胞 / モノクロナル抗体 / 11-4G12 |
Research Abstract |
本研究にて申請した顕微鏡として、ニコンマイクロフォトFXを選定し、FX本体部を購入し、従来より用いていたニコンフルフォトの部品を加えて使用した。本研究では、ウサギ小脳を免疫組織化学的に検索し、購入された顕微鏡を用いて、検鏡及び、写真撮影を行った。ウサギ嗅球を抗原として得られた抗体11-4G12を用いた。生後間もないウサギ小脳を固定し、凍結切片を作製し、FITC標識の二次抗体を用いて、間接蛍光法を行った。 1.免疫反応の部位的特長 (1).虫部前葉のプルキンエ細胞が一番強く反応した。 (2).虫部後葉のプルキンエ細胞は弱い反応を示した。 (3).皮質前葉のプルキンエ細胞は(1).(2)の中間であった。 2.部位による形態的特長 (1).虫部前葉のプルキンエ細胞はperisomatic dendrite stageであった。 (2).虫部後葉のプルキンエ細胞はmain dendrite stageであった。 (3).皮質のプルキンエ細胞はperisomatic dendrite stageであるが、正中から離れるにしたがって、円形で、neuriteの分化が遅れていた。 部位による形態的特長はラットより得られた先人の結果と一致するように見えるが、ラットと比べると、部位的差が著しいことが判った。また早期に到着した皮質のプルキンエ細胞は、未分化のままで、休眠していることが確認された。免疫反応の部位的差は、11-4G12に対する抗原分子の量を反映していると思われるが、プルキンエ細胞の分化度と関係があるかどうかは不明である。この問題を解決するためには、経時的な検索が必要であることが判った。
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