1987 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類骨格筋の発達過程における各種イオンチャンネルの出現, 消長, 性質変化. -Tight-Seal Whole-Cell Clamp法による研究-
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61570092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長谷川 修司 千葉大学, 医学部, 助教授 (20009640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五ノ井 透 千葉大学, 医学部, 助手 (30134365)
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Keywords | マウス / 骨格筋 / Caチャンネル / Naチャンネル / 発達 / 除神経 / ジオグラフトキシン |
Research Abstract |
1.生後0日から30日のマウス後肢より単離した短指屈筋において, Whole-cell膜電位固定法を用いて, 2種のCaチャンネル電流, 2種のNaチャンネル電流を記録した. 2.誕生直後の筋は, 膜電位依存性の一過性Caチャンネルをもち, このチャンネルは生後17日までに消失した. 3.単位膜面積あたりの持続性Caチャンネル電流は, 生後30日の間に約4倍に増加した. 4.支配神経の切断は, 一過性のCaチャンネルの消失に影響を与えなかったが, 持続性のCaチャンネルの増加を抑制した. 5.また 誕生直後の筋はイモ貝毒素, Geographutoxin-感受性および-抵抗性の2種の膜電位依存性Naチャンネルを持っていた. 6.抵抗性のNaチャンネルは, 生後16日までに消失したが, 感受性のチャンネルは生後20日で約15倍に増加した. 7.生後4日目に支配神経を切断すると, 抵抗性のチャンネルはその後増加し, 感受性のチャンネルの増加は促進された. 8.生後12日目に支配神経を切断すると, 抵抗性のチャンネルは増加したが, 感受性のチャンネルの増加は抑制された. 9.抵抗性チャンネルの非活性化過程は, 加齢とともにゆっくりになった. 10.これらの結果は, 生後の筋の発達過程で 上記4種類のイオンチャンネルがともに, 密度, 性質に大きな変化を受けるが, そのメカニズムは チャンネルごとに 異なっていることを示唆する. 11.今後 これらのチャンネルの筋発達における役割, 上記変化を引起こす生体内のメカニズムについて調べたい.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tohru Gonoi, et al.: Journal of Neuroscience. 7. 1728-1731 (1987)
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[Publications] T. Gonoi & S. Hasegawa: Journal of Physiology (London). 401. (1988)