1986 Fiscal Year Annual Research Report
ムスカリン様アセチルコリン受容体におけるサブクラスとその特異的反応についての研究
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61570102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 修次 阪大, 医学部, 助教授 (90028639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 武 大阪大学, 医学部, 助手 (50176880)
渡辺 康裕 大阪大学, 医学部, 助手 (90127324)
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Keywords | ムスカリニ様アセチルコリン受容体 / 受容体サブタイプ / アデニレートシクラーゼ |
Research Abstract |
ムスカリン様受容体(M-AChR)には、少くとも二つのサブタイプ、M1(神経性)、M2(末梢性)の存在することが知られている。我々はM2サブタイプに属する心筋M-AChRがアゴニストに対して3つの異った親和性の混在状態をとっていることを示し、Super-high(SH),High(H),Low(L)affinity agonist binding stateと呼んだ。これら、3つの状態は、guanine nucleotide,SH試薬などによって複雑な変動を起こすが、これをコンピューターを用いた非線型最小二乗法によって詳く解析すると、SH【→!←】H,H【→!←】Lと相互変喚する二つのサブグループに分けられることが判明した。一方、M-AChRによる心筋受容体反応として、adenylate cyclase(AC)抑制、PI反応、膜イオン透過性変化などが知られているが、今回、我々は、AC活性抑制反応が、SH【→!←】H,H【→!←】Lのどちらのグループと共役しているかをしらべた。 モルモット心筋膜分画における、各種ムスカリニックアゴニストのAC抑制のKD値は前述のHstateのKDとよく一致した。M-AChRの特異的アルキル化剤、PrBCM処理によってM-AChR量を減らしてゆくと、AC活性の最大抑制率は減少するが、各アゴニストのKDは変化しないため、この組織ではM-AChRのスペアレセプターは存在せず、AC抑制から求めた見かけのKD値は、真のKDと一致すると考えられる。アゴニストのカルバコールの保護下に、PrBCM処理を行うと、カルバコール濃度と処理時間を適当に選ぶと、SH【→!←】Hグループのみを残し、H【→!←】Lグループを失活させることができる。この条件下で、AC活性抑制能は残っていた。以上の結果は、M-AChR受容体反応としてのAC活性抑制は、SH【→!←】Hグループと共役しており、その親和性はHstateと一致していることが証明された。次年度は他の受容体反応との共役について調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 内田修次: 月刊薬事. 28. 35-39 (1986)
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[Publications] K.Takami: Japan.J.Pharmacol.42. 345-350 (1986)
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[Publications] T.Osugi: Brain Research. 379. 84-89 (1986)
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[Publications] T.Osugi: Europ.J.Pharmacol.126. 47-51 (1986)
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[Publications] T.Kagiya: Japan.J.Pharmacol.41. 511-517 (1986)
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[Publications] A.Mizushima: Europ.J.Pharmacol.240. (1987)