1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570133
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
池原 征夫 福岡大, 医学部, 教授 (70037612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三角 佳生 福岡大学, 医学部, 助手 (10148877)
織田 公光 福岡大学, 医学部, 助教授 (10122681)
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Keywords | 血清蛋白質 / プロ型前駆体 / プロセシング / ハプトグロビン / 補体成分C3 / フィブリノーゲン / 蛋白質の硫酸化 / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
1.血清蛋白質前駆体のプロセシング:プロ型前駆体のプロセシングについて、ラット肝から調製した各種細胞分画を用いてSDS-ゲル電気泳動/免疫ブロッティング法によって検討した。その結果、1)ハプトグロビン前駆体は小胞体分画にのみ検出され、ゴルジ装置分画には検出されない、2)補体C3の血清型(α,β)は小胞体には認められず、ゴルジ装置で初めて検出される、3)高マンノース型糖鎖をもつハプトグロビンのβ鎖や【α_1】-アンチトリプシンは小胞体に検出され、一方複合型糖鎖をもつそれぞれの血清型はゴルジ分画に見出された。以上の結果から、ハプトグロビン前駆体のα,β鎖への変換は小胞体で起り、β鎖はさらにゴルジ装置で糖鎖の修飾を受けて最終的な血清型になること、一方、補体C3はゴルジ装置で初めてα,β鎖へ変換されることが結論づけられた。 2.フィブリノーゲン(Fb)の生合成と硫酸化:ラット肝細胞を【^(35)S】-メチオニンでラベルしFbの免疫沈降物をSDS-ゲル電気泳動・フルオログラフィーで解析すると、【A_α】,【B_β】,【Γ_A】,【Γ_B】のサブユニットが同定された。一方、【^(35)S】-硫酸でラベルすると、【Γ_B】のみが硫酸化されることがわかった。硫酸化分子種をカルボキシペプチダーゼYで処理すると殆んどの放射活性が遊離され、遊理産物はチロジン-O-硫酸であることが同定された。パルス-チェイスの実験からこの硫酸化は分泌直前に起こること、また分泌阻害剤モネンシンによって強い抑制を受けることがわかった。以上の結果から、Fbは【Γ_B】のC末近くのチロジンが硫酸化されること、およびこの硫酸化はゴルジ装置トランス領域で起ることが強く示唆される。 3.ハプトグロビンおよび補体C3の糖鎖構造の決定:培養肝細胞内で各種【^3H】-糖でラベルされた後分泌された両蛋白質を精製し、その糖鎖構造を決定した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Misumi,Y.;Misumi,Y.;Miki,K.Takatsuki,A.Tamura,G;Ikehara,Y.: Journal of Biological Chemistry. 261. 11398-11403 (1986)
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[Publications] Miki,K.;Ogata,S.;Misumi,Y.;Ikehara,Y.: Biochemical Journal. 240. 691-698 (1986)
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[Publications] Ogata,S.;Misumi,Y.;Miki,K.;Ikehara,Y.: European Journal of Biochemistry. 161. 315-320 (1986)
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[Publications] Oda,K.;Koriyama,Y.;Yamada,E.;Ikehara,Y.: Biochemical Journal. 240. 739-745 (1986)
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[Publications] Oda,K.;Miki,K.;Hirose,S.;Takami,N.;Misumi,Y.;Ikehara,Y.: Journal of Biochemistry. 100. 1669-1675 (1986)
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[Publications] Oda,K.;Hirose,S.;Takami,N.;Misumi,Y.;Takatsuki,A.;Ikehara,Y.: FEBS Letters. (1987)
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[Publications] 日本生化学会(西塚泰美)編集 池原征夫: "続生化学実験講座第7巻情報伝達と細胞応答(下)(第40章分泌蛋白質)" 東京化学同人出版, 8)930(637-64 (1986)