1987 Fiscal Year Annual Research Report
D-GLの免疫寛容作用を利用した特定の抗原決定基に対する抗体の作製とその応用
Project/Area Number |
61570148
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
立石 カヨ子 福岡大学, 医学部, 助手 (60179728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 政秀 福岡大学, 医学部, 助教授 (40122692)
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Keywords | 低交差反応性抗体産生クローンの選択 / D-GL / 抗サブスタンスK特異抗血清 / 抗ニューロキニンB特異抗血清 / サブスタンスKとニューロキニンBの分別定量 / プロソマトスタチンのプロセシング / Eck瘻犬の脳内cckの減少 |
Research Abstract |
1.抗Substance K(SK)及び抗newrokininB(NB)特異抗体の作製:両ペプチド及び関連ペプチドに共通なアミノ酸配列をもつKassinin(K)とDGLの結合物(K-D-GL)を家兎に投与し, その共通のアミノ酸配列に向った抗体の産生を抑制した後, SKとkeyhole limpet hemocyanin(KLH)の結合物及びNBとKLHの結合物でそれぞれ免疫した. 得られた抗SK抗血清のKとNBとの交差反応性はそれぞれ6%と8%以下であった. 又, 関連ペプチドであるSubstanceP(SP),Physalemin(P)及びBombesin(B)との交差反応性は認められなかった. これに反し, K-D-GLを投与しない従来法で得られた抗SK抗血清はKとNBとそれぞれ87%と50%の高い交差反応性を示した. 又, SPとは0.2%の交差反応性を示した. 一方, K-D-GLとNB-KLHの組合せで得られた抗NB抗血清はNBに特異的で, 検討した関連ペプチド(K,SK,SP,P及びB)とはいずれも交差反応性を認めなかった. 従来得られた抗SK及び抗NB抗血清はNB及びSKと互いに高い交差反応性を示したため, それぞれの分別定量は容易でなく, SK/NBlike immunoreactivibyとして合計量で表わされる場合が多かった. しかし, D-GLの免疫寛容作用を利用した本免疫法により得られた抗血清はそれぞれに対して特異的で, これらの抗血清を用いたRIAによりSKとNBの分別定量が容易に可能となった. 2.抗ソマトスタチン(S)-28(1-12)特異抗血清の応用:61年度に作成した特異S28(1-12)-RIAとS-14-RIAを用いて, 犬の脳の各領域におけるS28(1-12)様免疫活性とS-14様免疫活性を測定した結果, 大脳皮質と視床, 中脳及び延髄とでは両免疫活性の存在比が異なる事が明らかになった. この事とゲルろ過クロマトグラフィでの検討により前記の両脳領域ではprosからsの各分子型へのprocessingに違いがある事が示唆された. 3.本免疫法により作製した抗cck-8特異抗体を用いて, 実験的肝性脳症(ECK瘻)犬の脳内CCKの減少を明らかにした.
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[Publications] %kayoko Tateishi: Regulatory Peptide. 18. 277-286 (1987)
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[Publications] 三浦 義明: Gastroen Terologin Japonica. 22. 748-755 (1987)
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[Publications] Kayoko Tateishi: Hepatology.
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[Publications] Itsuro Nakano: Regulatory Peptide.
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[Publications] 立石 カヨ子: "消化管ホルモン(7)" 医学図書出版, 6 (1987)
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[Publications] 立石 カヨ子: "免疫実験操作法" 南江堂, 10 (1988)
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[Publications] 立石 カヨ子: "消化管ホルモン(8)" 医学図書出版, (1988)