1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570152
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 邦彦 東北大, 医学部, 助手 (70133056)
|
Keywords | 分泌顆粒 / 副甲状腺ホルモン / 酵素抗体法 / 金コロイドプロテインA法 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
分泌の分子機構の解析を目的として行なっているが、まず分泌分子の存在様式を知ることが基本的問題の一つである。これまではペプチドホルモンは全て分泌顆粒内にのみ存在すると考えられてきた。Ca代謝の要である副甲腺ホルモン(PTH)は主細胞内に存在するが、分泌顆粒のきわめて少ないことで知られている。しかし血中のPTH濃度はそれほど低くはないことや光顕レベルのPTH免疫染色の結果では細胞内にび慢性に陽性になること等から、PTHが分泌顆粒のみに存在するのでは余りに少なすぎると思われた。以上より電顕レベルでの検索が必要となった。 1.免疫電顕にとりかかる前に光顕レベルで抗原性保持の最もよい方法を検索した。その結果、凍結切片を用いる酵素抗体法が最もよかった。一次抗体はヒトPTHに対するものなのでヒトの副甲状腺組織を可及的に凍結して用いた。免疫電顕によってPTHはこれまで考えられて来た分泌顆粒のみでなくγER及び形質膜近傍の細胞質にび慢性に陽性所見を得た。 2.金コロイドプロテインA法による免疫電顕を試みた。抗原性保持及び構造維持の良い方法としてラットを用いてPLP固定液を用い灌流固定法を行なった。あらかじめヒトPTHとラットPTHとは交叉することを確かめた。電顕観察によって分泌顕粒に金コロイド粒子の付着が観察されたがその他にγER及び形質膜周囲にも点在しているのが認められた。 3.酵素抗体法とGCPA法との免疫電顕観察によってPTHは分泌顆粒にのみでなくγER及び細胞質中にも分布することが示唆された。 4.次に分泌顆粒の開口分泌の機構の解析のために刺激直後数ミリ秒後に液体窒素にて急速凍結し置換固定して観察をしている。加えて、分泌顆粒の開口分泌時の細胞内Ca濃度の変化も検索する。
|
-
[Publications] 後藤邦彦: 日本内分泌学会雑誌.
-
[Publications] Kunihiko Goto: Tohoku Journal of Experimental Medicine.
-
[Publications] Kunihiko Goto: American Journal of Pathology.
-
[Publications] 後藤邦彦: 細胞.
-
[Publications] Kunihiko Goto: Cell and Tissue Research.