1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト分離肺胞構成細胞の機能分担に関する病理学的研究
Project/Area Number |
61570155
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 旦 阪大, 医学部, 教授 (50075032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 数也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20028624)
岡本 光弘 大阪大学, 医学部, 教授 (90028613)
川野 潔 大阪大学, 医学部, 助手 (80127216)
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Keywords | Clara細胞 / alveolar septal細胞 / alveolar Type【II】細胞 / 分離培養法 |
Research Abstract |
昭和61年の研究実績については次のようにまとめることができる。 1)北村、岡本らはalveolar type【II】細胞の分離とP-450のinductionに関する実験をウサギにおいて終了し、Archives of Toricologyに発表した。(北村・岡本・中原その他)この成績からヒトの手術肺におけるTyype【II】細胞の分離実験と生化学的研究の根拠をえたものと考える。 2)北村・川野らは、肺胞隔細胞の分離培養法の確立を試みたが、全肺胞を分離し肺胞隔細胞のみの分割をとりだすことの困難さを体験し、新しく分離培養する方法を考案し、ラット肺胞を用いて実験を行い、腎糸球体分離培養法に準じた組織片培養法により、3代目で肺胞隔細胞 すなわちalvelar septal cellの分離培養に成功した。この方法を用いることによりalveblay septal cellのビタミンA代謝、プロスタグランチンの作用、またalvealor seplal cellの収縮作用の手がかりをえた。この成績は1987年度の日本病理学会で発表する。 3)これまでの成績から、肺胞のclara細胞、Type【II】上皮細胞、肺胞隔細胞の分離が可能となったので、本年度の備品で購入したファーマシア社製のリニアグラジェント溶出装置を用いて実験を行っている。これには、(イ)膠原線維溶解酵素(collagenase)を予め作用し、プロナーゼを次に作用し粗な細胞分割を作り(ロ)これをグラジェントにかけて分離精製し、高率の各細胞分画を行っているが、動物ではほぼ成功し、62年度はこれを根拠としてヒトの肺胞細胞の分離と機能の解明に着手することができるようになった。岡本らは生代学的方面の応用の準備状態にすでに入っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 北村亘: 呼吸. 5. 1369-1372 (1986)
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[Publications] 北村亘 他: 日本病理学会会誌(総会号). 76. 61 (1987)
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[Publications] 北村亘 他: 生物トキシンの基礎的的研究とその医学生物学への応用-研究成果総括報告書. 335-344 (1986)
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[Publications] Y.Kitagawa;M.Okamoto;H.Kitamura;K.Nakahara,et al.: Arch.Toxicol.59. 1-3 (1986)
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[Publications] M.Okamoto,et al.: J.Biochem.99. 163-171 (1986)
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[Publications] m.Okamoto,et al.: J.Biochem.100. 945-954 (1986)