1986 Fiscal Year Annual Research Report
正常中皮細胞および中皮腫に対するモノクロナール抗体の作製と組織診断への応用
Project/Area Number |
61570156
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
泉 啓介 徳島大, 医学部, 助教授 (30116777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 耕三 徳島大学, 医学部動物実験, 助教授 (00002246)
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Keywords | ヒト悪性中皮腫 / 中皮細胞 / ラット中皮腫 / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
ヒト悪性中皮腫と肺腺癌の病理組織学的鑑別を行うために、(1)ヒト胸膜悪性中皮腫組織、(2)ヒト正常中皮細胞、(3)自然発生ラット腹膜中皮腫に対するモノクロナール抗体の作製を試みている。(1)、(3)は材料の入手が困難であったが、ヒト悪性中皮腫は手術例1例(44才、男)、死後2時間以内の剖検例2例(68才、女・27才、男)の合計3例が得られた。これらは肺内には腫瘍はなく病理解剖学的および病理組織学的に悪性中皮腫と確認された。これらの腫瘍組織の新鮮材料および凍結保存材料でBALB/Cマウスを3〜4回免疫し、ミエローマ細胞(Sp2/O-Ag14)を用いてハイブリドーマを作製した。中皮腫および肺癌組織切片(凍結、アルコール、緩衝ホルマリン固定)を用いてスクリーニングを行う予定である。なお、得られた腫瘍組織は超低温保存およびパラフィンブロックとして保存している。(2)は非担癌患者の体腔液を低速遠沈後、購入した日立高速冷却遠心機(SCR20B)を用い、Percollグラジェントを利用して中皮細胞を分離し、マウスに免疫している。(3)の自然発生F344ラット腹膜中皮腫は1例しか得られていないが現在免疫中である。なお、アスベスト(和光純薬)の腹腔内投与によるラット中皮腫の作製を試みている。(1)、(2)、(3)のいずれもまだモノクロナール抗体作製には至っていないので来年度も継続して行いたい。
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