1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
刺激伝導系の形態変化と機能変化の相関に関する顕微測光と画像処理による定量的研究
Project/Area Number |
61570159
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40154900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 和夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10094434)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Keywords | 房室結節細胞 / 顕微蛍光測光 / 核DNA量 / 多倍体化 / カラーイメージアナライザ |
Research Abstract |
顕微蛍光測光法によるヒト房室結節細胞の核DNA定量の方法を開発した. その要点は, Levらの連続切片法によって得られた厚切片から房室結節を剔出し, 細胞を単離, AzocarminGとAciiflavine Reulgen染色を行ない, 細胞質の横紋を指標として選択的に房室結節細胞の核DNA定量することであった. その結果, 房室伝導障害のない剖検心から得られた房室結節細胞の核DNA分布パターンは, 全年齢を通じて心重量と関係なく一定しており, 2倍体細胞が94.5%〜98.5%, 4倍体細胞が5.5%〜1.5%を占め, その中間値のDNA量をもつ細胞や8倍体以上の多倍体細胞は認められなかった. このことは房室結節細胞が, 加齢や肥大によって多倍体細胞が出現する一般心筋と異なり, 核DNA合成能においても特殊な心筋細胞であることを示している. さらに房室結節が, 加齢に伴って示す組織学的変化について検討するため, 房室伝導障害のない剖検心についてディジタル画像処理システムを用いて定量的な解析を行なった. その結果, 1)房室結節の体積は学童期までに一定の大きさに達し, その後は加齢や病的肥大心においても体積に変化がみられなかった. 2)房室結節細胞の体積は学童期までに一定となり, その後は成長や心重量の増加によっても体積は増加しなかった. これはこの細胞が心重量が増加しても多倍体化しない所見と一致するものであった. 3)房室結節内の線維化の進行は, 学童期以降では加齢や心重量との相関は認められなかった. 4)房室結節内の脂肪織は, 症例によっては学童期から認められたが, 房室結節細胞の脱落とは無関係であり, 著明な例では房室結節細胞の体積が増加していることから, 脂肪浸潤と考えられた. 以上より, 房室結節の組織像は学童期でほぼ一定となり, その後は加齢により房室結節細胞の体積が減少するが, そのために線維化が進行したり, 脂肪浸潤が増加することはなく, 冠動脈硬化との関係もないと思われた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Hayashi;T.Takamatsu and S.Fujita: Histochemistry. 85. 111-115 (1986)
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[Publications] 中川雅生,清沢伸幸,楠智一,浜岡建城,高松哲郎,服部隆則: 医学のあゆみ. 134. 191-192 (1985)
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[Publications] T.Takamatsu and S.Fujita: "Science on form:Color image analyser and its application for quantitative morphology-Quantitative fluorescence image analysis-" KTK Scientific Publishers,Tokyo, 8(561-568) (1986)