1986 Fiscal Year Annual Research Report
免疫応答における遺伝的拘束性を決定する自己抗原系の役割と意義
Project/Area Number |
61570240
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
山元 弘 高知医大, 医学部, 助教授 (50127312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 重義 高知医科大学, 医学部, 教授 (00009151)
谷口 武利 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90127944)
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Keywords | 遺伝的拘束性 / 自己抗原 / イディオタイプ / イディオタイプ特異的B細胞 / イディオタイプ特異的T細胞 / 増強性B細胞 |
Research Abstract |
免疫応答の調節機構の中で、イディオタイプを介する調節様式が重要な役割を果たす。我々は、自己イディオタイプ(Id)特異的増強性B細胞とキラーT細胞活性を検出することに成功した。これらはいずれも自己Idと主要組織適合性抗原(MHC)を認識しつつ、自己Id産生に対して前者は促進的に、後者は抑制的に働きかけていることを証明してきた。本年度は、両者の機能発現において、遺伝的拘束性を決定する自己抗原、すなわちIdとMHCについて、四親性キメラマウスを用いた研究を中心に行なった。 1)増強性B細胞の機能発現について、自己Id及びMHC認識の適応分化を、四親性骨髄キメラマウスを用いて解析した。MHC認識に関しては、増強性B細胞が適応分化することが証明できた。しかしながら、自己Id認識については、その骨髄細胞が由来する宿主マウスが、相当するId産生能を持たなければ抗Id特異性は出現せず、適応分化しえないことが判明した(J.Immunol.,1987)。最近自己IdとMHCを同時に認識し、かつ増強性活性を有するB細胞クロン長期培養株へ樹立に成功したため、今後、その受容体構造の遺伝子解析を進めたい。自己Id認識が適応分化し得ない事を遺伝子レベルで解析する予定である。 2)自己Id特異的キラーT細胞は、B細胞とは全く異なり、四親性骨髄キメラマウスにおいて、Id認識,MHC認識のいずれもが適応分化し得ることを証明した(第16回日本免疫学会総会,J.Immunol.,投稿中)。一方、我々は、自己Id特異的かつMHC拘束性のキラーT細胞クロンの長期培養株の樹立に成功し、これを報告した(Eur.J.Immunol.,in press)。現在、このキラーT細胞抗原受容体遺伝子,Tiα及びTiβのcDNAクローニングを行なっており、その遺伝子構造についても、近い将来報告する予定である。
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[Publications] Kiyonori ARAKI: Clinical and Experimental Immunology. 67. (1987)
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[Publications] Hiroshi YAMAMOTO: Journal of Immunology. 138. 380-384 (1987)
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[Publications] Hiroshi YAMAMOTO: Japanese Journal of Cancer Research(GANN). 78. (1987)
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[Publications] Soji BITOH: Cellular Immunology. (1987)
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[Publications] Soji BITOH: Cellular Immunology. (1987)
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[Publications] Hiroshi YAMAMOTO: European Journal of Immunology. 17. (1987)
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[Publications] 菊地浩吉,矢田純一,奥村康 編 山元弘: "Annual Review 免疫 1987" 中外医学社, 3 (1987)
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[Publications] 多田富雄 監訳 山元弘: "基礎免疫学" 東京大学出版会, 17 (1987)