1986 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球に増殖分化を誘導するリンホカインの細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
61570243
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原田 登之 熊本大, 医学部, 助手 (40165022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 聖志 熊本大学, 医学部, 教授 (10107055)
|
Keywords | B151K12 / T cell-replacing factor(TRF) / BCGF【II】 / モノクローナル抗体 / リコンビナントTRF |
Research Abstract |
本研究はB細胞増殖分化因子であるTRF(T cell-replacing factor)によるB細胞分化機序を分子レベルで明らかにするため、TRF受容体の解析および細胞内シグナル伝達の解析を目的としている。今年度はTRF受容体解析の為精製TRFを多量に得る目的で、抗TRFモノクローナル抗体の作製を試みた。TRF産生単クローン性T細胞融合細胞B151K12の培養上清より既に報告した方法に準じTRFを高度に精製しラットに免疫した。このラット脾細胞とマウス骨髄腫細胞とをポリエチレングリコールを用い融合させた。融合細胞上清中のTRF活性阻害能及びTRF活性吸収能を検索し、クローニングを行なった結果2つのモノクローナル抗体TB13とNC17を得た。本抗体は共にラットIg【G_1】クラスであり、TRF活性を阻害するだけでなく活性化B細胞に分裂を誘導するBCGF【II】活性をも阻害した。この事実より既に報告したTRF分子にBCGF【II】活性が担われていることが確認された。本抗体はBSF-1,IL-1,IL-2,IL-3活性に対し何ら阻害効果を示さず、調べた範囲内ではTRF/BCGF【II】活性のみを特異的に阻害した。精製TRFを【^(125)I】で放射標識し本抗体による免疫沈降を行ないSDS-PAGEで解析した結果、本抗体は還元剤非存在下で分子量46Kdの物質と特異的に結合すること、また還元剤存在下で46Kd分子は23〜26Kdに移動することが認められた。一方、還元剤非存在下のSDS-PAGEでTRF活性は分子量約46Kdに泳動された。これらの結果より、本抗体は分子量約46KdのTRF分子と特異的に結合すること、またTRF分子は分子量23〜26Kdのサブユニットから成り2量体であることが示された。我々は本庶ら、Severinsonらとの共同研究でクローン化T細胞2.19よりTRF活性をコードする遺伝子(pSP6K-mTRF)のクローニングに成功したが、本抗体はこの遺伝子由来のリコンビナントTRF(γTRF)の活性も阻害し、吸着した。現在、【^(35)S】-メチオニンで放射標識したγTRFを本抗体で精製し、TRF受容体を解析中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Tominaga,A.: Microbiology and Immunology. 30. 789-798 (1986)
-
[Publications] Kinashi,T.: Nature. 324. 70-73 (1986)
-
[Publications] Matsumoto,M.: Journal of Immunology.
-
[Publications] Harada,N.: Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A.
-
[Publications] Takatsu,K.: Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A.