1986 Fiscal Year Annual Research Report
主要組織適合抗原(主にクラスII抗原)遺伝子の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
61570245
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥田 研爾 横浜市大, 医学部, 教授 (40124862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 淳 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00181256)
浜島 健治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00114611)
高橋 豊三 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (40046149)
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Keywords | Immunogenetics / Transgenic mouse / 抗原提示作用 / IL-2 / Transfection / 組み換えDNA |
Research Abstract |
T細胞は、MHC抗原と外来抗原を同時に認識することはよく知られている。今回はIa抗原が陰性のBALB/C由来のB細胞やマクロファージ系細胞に、【A(^α_β)】遺伝子を牛乳頭腫ウイルスをベクターとして導入したところ、それらの細胞の【A(^α_β)】は勿論のこと、【A(^α_α)】遺伝子産物も発現されてきたことが判明した。この観察は蛍光抗体法では勿論のこと、Northern blot法でも詳細に確認した。すなわち、これらのことは今まで【A(^α_α)】遺伝子産物の未発現だった細胞が一つの遺伝子の導入により発現されてきたことを示すので大変興味深い(福島ら・第16回日本免疫学会にて発表)。さらにこの今までの【A^α】分子が発現していなかったB細胞株はI-A遺伝子産物を発現したことにより新しい機能が獲得されたことが判明した。I-【A^α】に拘束を受けるミオグロビン,GLφ等の抗原をそれぞれの抗原で感作したT細胞に提示し、その反応が抗I-【A^α】抗体で阻止されることが判明した。 現在、この一つの遺伝子の挿入することによって他の遺伝子が活性化される現象は、非常に興味深く、我々は今のところ、レプレッサーの競合による結果であることを示すデータが得られつつあるように思っている。 一方、C57BL/6(H-【2^b】)のマウスに【A(^α_β)】遺伝子を挿入し、トランスジエニツクマウスを作成させるよう、現在行っている。方法は数百コピーの【A(^α_β)】のcDNAを受精卵雄核に挿入し、偽妊娠したICRマウス卵管に注入し、約20日後に生まれるC57BL/6マウスを検討している。 現在まで、C57BL/6に【A(^α_β)】を挿入したマウスは40匹あったが、【A(^α_β)】が組み込まれたマウスは得られていない。さらに現在、かずを増やし検討中である。
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[Publications] Takahashi,T.: Canadian J.Med.Tech.48. 161-163 (1986)
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[Publications] Takahashi,T.: Canadian J.Med.Tech.48. 216-218 (1986)
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[Publications] Kasai,N.: Infection and Immunity. 51. 43-48 (1986)
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[Publications] Hagiya,M.: Proc.Netl.Acad.Sci.U.S.A.83. 145-149 (1986)
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[Publications] Yanoma,S.: Journal of Immunology. (1987)
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[Publications] Fukushima,J.: Journal of Immunology. (1987)
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[Publications] 奥田研爾: "モノクロナール抗体の作製法-微生物関連抗原を主として-" 斉藤滿智子(株・菜根出版), 125 (1986)
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[Publications] 石井則久: "細菌学はここまで進んだ" 斉藤滿智子(株・菜根出版), 464 (1986)