1987 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの選択阻害剤である2-クロルアデノシンの作用機序解明とその利用法
Project/Area Number |
61570249
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
斎藤 卓也 近畿大学, 医学部, 講師 (30101398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 淳二 近畿大学, 医学部, 教授 (30088520)
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Keywords | 2-クロルアデノシン / マクロファージ / 活性酸素 / 食作用 / 阻害効果 |
Research Abstract |
62年度の研究目的は2-クロルアデノシン(2-ClAdo)の利用法で, マクロファージ(M【bounded integral】選択的阻害剤及び除去剤として有効なのかについての検索である. 我々以外の他の研究者から, in vitroでの阻害剤・除去剤として有効であることが報告されている. [Nakamura, J.Immunol.128:2614(1982), Ohtani, J.Reticuloendthel.Soc.32:189(1982), Yamaguchi, Microbiol.Immunol.29:1031(1984)等]. 我々は, これらの報告以外のin vitroでのM【bounded integral】機能および形態に対する2-ClAdoの阻害効果を検討した. M【bounded integral】伸展率, 活性酸素産生能, 食作用および補体結合能に対して1mMあるいは0.1mMの2-ClAdoの短時間処理で強い阻害効果(80〜90%)を得ることができた. この場合, 好中球の活性酸素産生能および食作用に対しては無効であり, 2-ClAdoの選択的機能阻害効果も示された. 一方, 他のM【bounded integral】害剤であるシリカやカラギナンではこのような短時間処理で強力な阻害効果は全く得られず, 2-ClAdoの効果とは異なることが示された. 次にこのようなin vitroでの2-ClAdoの強力な効果が実際にin vitroでも有効なのか検索した. 液性免疫である羊赤血球に対するマウスの抗体産生能(カニンガム法)は, 2-ClAdoのマウス腹腔内投与によって30〜40%抑制がみられた. 細胞性免疫であるin vivo Graft vs Host反応および遅延型過敏症に対する抑制効果は, それぞれ20%と30%であった. 結果としてin vivoでの抑制効果はin vivoで得られた強力な効果とは異なり, 投与時間や投与経路または投与量などの詳細な検討を加えても強い阻害効果は得られなかった. 2-ClAdoの阻害効果を阻止するアデノシンがin vivoの血清や体液中に存在するので, in vivoでの2-ClAdoの阻害効果は弱くなるのではないかと考えられる. 現在, 比較的阻害効果があった液性免疫系を使って, 阻害効果がM【bounded integral】対するものなのか, M【bounded integral】マウスへの移入による阻害解除実験を進行中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Junji Yamaguchi: Proc. llth Int. cong Electron Microsc.3. 2630-2631 (1986)
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[Publications] 斎藤 卓也: 近畿大医誌. 13. (1988)
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[Publications] Takuya Saito: Eur. J. Immunol.(1988)
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[Publications] Takuya Saito: Micobiol. Immunol.