1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570256
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥田 久徳 広島大, 医学部, 教授 (60033958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 純子 広島大学, 医学部, 助手 (70155266)
東 敦司 広島大学, 医学部, 助手 (00112201)
平岡 幸夫 広島大学, 医学部, 講師 (00144816)
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Keywords | 有機リン剤 / 経時的毒性変化 / ヒメダカ卵 / マウス胎仔 |
Research Abstract |
1.MEP乳剤半減期について:試験薬剤としてはMEP乳剤(MEP50.0%,有機溶剤・乳化剤等50.0%)を使用した。種々の条件を設定し検討した結果、MEP濃度が低い方が、またPHの値が大きい方が半減期が短かいことが認められた。紫外線照射と加熱は分解を促進する効果が大きく、曝気は緩徐な分解作用を示した。有機リン剤は一般に昜分解性であると言われているが、本実験の結果では必ずしもそうとは言えないように思われた。 2.対メダカ卵毒性実験:100ppmのMEP乳剤をPH7.2,25±2℃,200ml/minで30日間または60日間曝気処理したものを被検材料とした。残存MEPは未処理50ppm,30日曝気20ppm,60日曝気8.2ppmであった。各被検材料を種々の濃度でヒメダカ卵に作用させた結果、ふ化率に及ぼす影響は未処理液の場合が最も大きく、曝気分解液ではその影響は低下した。ふ化仔魚の外形異常については、未処理液では全く認められなかったが、曝気分解液では多数認められた。 3.対マウス胎仔毒性実験:市販のMEP乳剤あるいはその分解液を妊娠マウスに第3日目から13日間連続投与し、第18日目に開腹し、胎仔数、着床数、胎仔体重、外形異常を観察した。(1)未処理MEP乳剤では対照群(生食)に比較して、妊娠率低下,死胚数増加,胎仔数減少,胎仔体重減少が認められた。(2)0.5×【10^6】ppmのMEP乳剤をPH8,30±3℃,冬季連日の太陽光照射の条件で分解した分解液について、MEP濃度が17×【10^3】ppm,8×【10^3】ppmでは各5尾の母獣全部が斃死した。しかし未処理MEP乳剤の同濃度では5尾の母獣全部が生残し、妊娠の継続が認められた。PH8の分解液に強い急性毒性があることが認められた。(3)0.5×【10^6】ppmのMEP乳剤をPH14,30±3℃,冬季連日の太陽光照射の条件で分解した分解液については、残存MEPの濃度に相当する所見が認められるのみであった。
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