1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570263
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
堀口 俊一 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60046828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 敬子 大阪市立大学, 医学部, 講師 (70047356)
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Keywords | 有機溶剤 / テトラヒドロフラン / THF / 呼気中有機溶剤 / 呼気からの排泄 / ラット |
Research Abstract |
ラットにテトラヒドロフラン(THF)の吸入暴露を行なって, 曝露後の呼気からの排泄の程度を明らかにするために本研究を行なった. 実験動物にはウィスター系成熟ラット(250-350g)を用いた. THF曝露は1回4時間, ダイナミックフロータイプの小動物用有機溶剤暴露装置を用いて行なった. 曝露濃度は200, 500, 1500, 4000ppmとした. 曝露終了直後にラットを呼気採取装置に入れた. 装置はラットが一匹入るスペースで, 頚部の付近から新鮮空気を送入し, 鼻先から排出するように作られている. 新鮮空気は毎分200mlで送入し, 鼻先付近の空気を呼気としてマイクロシリンジで採取し, ガスクロマトグラフィーにてTHFを分析した. これらの実験の結果, 200ppm4時間曝露の場合は, 曝露直後から呼気中THF濃度は1.5ppmと低く, かつ減衰も早く, その半減期はほぼ20分であった. 500ppm曝露の場合, 曝露直後の呼器中濃度は約25ppmで, 2時間までは呼器中THFの減衰速度は比較的遅く, 曝露終了後2時間移行より急激に減少した. 1500ppm曝露の場合, 曝露終了直後は約100pmと高く, 約6時間までは減衰の程度は遅れた. しかしその後の減衰は急速であった. 4000ppm曝露の場合, 曝露終了直後の呼気中THF濃度は約500ppmと最も高く, 約14時間までは減衰が後れ, 後急速に減少した. これらの実験結果をまとめると, 500-4000ppmの間の曝露において, 曝露時間終了直後の呼器中THF濃度は曝露濃度に比例していた. さらに曝露直後の減衰のおそい相の持続時間も曝露濃度にほぼ比例した. これらの曝露終了後の減衰のおそい相の半減期は約2時間であった. さらに, これらのおそい相に続く減衰の速い相についてみると, おそい相のない200ppm曝露も含めて, 200-4000ppmの間の曝露における早い相での半減期は約120分となった.
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