1987 Fiscal Year Annual Research Report
窒素酸化物の個人被曝量と行動様式に関する疫学的研究
Project/Area Number |
61570279
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
春日 斉 東海大学, 医学部・公衆衛生学教室, 教授 (60096211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逢坂 文夫 東海大学, 医学部・公衆衛生学教室, 講師 (70096204)
松木 秀明 東海大学, 医学部・公衆衛生学教室, 講師 (90096264)
杉田 稔 東海大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助教授 (80051845)
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Keywords | NO_2室内汚染 / NO_2個人被曝量 / 住宅構造 / 調理器具 / 夏期調査 |
Research Abstract |
前年度は室内汚染を構成する重要な因子として, 住宅構造・暖房器具・個人の行動様式とNO_2個人被曝量の関連, および室内のNO_2濃度について冬期における調査を実施した. 本年度は昨年度と同一の55世帯・学童・母親共に同一対象者について夏期の調査わ行なった. 今回はNO_2個人被曝量, 各部屋および戸外のNO_2濃度の測定と共に, 台所で調理する時のみ使用するNO_2簡易サンプラーを全世帯に配布し, 調理時のNO_2濃度を測定した. 夏期のNO_2個人被曝量は冬期に比べ, 学童・母親共に1/2〜1/3に減少し, また室内のNO_2濃度も1/2〜1/3に減少した. これらを日本の大気NO_2環境基準(1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること)と比較すると, 冬期においては台所で53%, 居間で42%, 個人被曝量においても35%, 学童で20%で20%が環境基準を越えていたのに対し, 夏期調査においては, 台所でわずか1例のみが環境基準を越えたにすぎなかった. 戸外のNO_2濃度との比較では, 冬期においては室内NO_2濃度が約2倍以上に達したが, 夏期においては, 戸外NO_2濃度と同一或いはそれ以下であった. しかし夏期においても台所調理時間のピーク濃度は, 平均105ppbと, 戸外に比べ約2.8倍高く, 短時間であっても調理器具から発生するNO_2の影響は注目すべきであろう. 住宅構造による室内NO_2濃度および個人被曝量の違いは, 冬期において顕著に差が認められたが, 夏期においてはその差は極めて僅かであった. 台所で使用するガス炊飯器・ガス瞬間湯わかし器の使用の有無および調理時間の長さによってNO_2室内濃度および個人被曝量を分類して検討したが, 統計的に有意な差は認められなかった. 各世帯の部屋数により4間以内, 5〜6間, 7間以上に分類して各々のNO_2濃度を比較すると, 部屋数が増加するにつれNO_2濃度の平均値も減少したが, 夏期においては冬期程, 顕著な差は認められなかった.
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Research Products
(2 results)