1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570285
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勾坂 馨 東北大, 医学部, 教授 (70006740)
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Keywords | 血液型 / 型抗体 / 免疫複合体 / 熱耐性 |
Research Abstract |
血液型抗原・抗体複合物の単離のために、熱固定したA型唾液痕をヒト抗A抗体で感作し、これにA型唾液を反応させる。これをよく洗淨後熱解離して複合物を得た。このガーゼ痕を解離法により検査するとA型活性が検出され、抗A抗体・A型抗原複合物が調製されることを知った。この複合物を fast protein liquid chromatographyにかけたが、期待したchromatogramは得られなかった。これは複合物の量が少ないためと考えられた。そこで、複合物の単離を後回しにし、A型唾液痕を抗A抗体で感作して乾燥後、種々の温度で一定時間加熱しこの時の抗体活性を二重結合法により検査したところ、150℃・60分加熱でも抗体活性が確認された。これは、乾燥後生食水を加え55℃で熱解離し、解離液の型抗体活性の検査でも同様の成績が得られた。なお、複合物が湿潤した状態では容易に熱解離し、かつ型抗体は速かに失活した。 従来の報告では、型抗体は70-80℃の加熱により失活するとなっているので、ここで明らかになった事実は型抗体が対応する抗原と結合した状態で、抗体構造になんらかの変化を来し、熱に対する抵抗性が高まったものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kojima,Sagisaka et al.: Forensic Sci.Int.32. 67-77 (1986)
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[Publications] Funayama,Sagisaka et al.: Tohoku J.exp.Med.149. 407-416 (1986)
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[Publications] Aoki,Sagisaka et al.: Act.Crim.Jpn.52. 159-162 (1986)
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[Publications] Ohya,SagiSaka et al.: Tohoku J.exp.Med.150. 309-315 (1986)
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[Publications] Sagisaka,funayama et al.: Act.Crim.Jpn.52. 225-228 (1986)
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[Publications] Aoki,Sagisaka et al.: Act.Crim.Jpn.52. 85-87 (1986)