1986 Fiscal Year Annual Research Report
抗イディオタイプ抗体療法:老化に伴い出現する自己抗体産生の抑制
Project/Area Number |
61570310
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
根来 茂 阪大, 医学部, 助手 (30172753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英記 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
岸本 進 大阪大学, 医学部, 教授 (60028420)
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Keywords | 老化 / 自己免疫疾患 / 自己抗体 / イディオタイプ / 抗イディオタイプ抗体 / 抗イディオタイプ抗体療法 / 老化の予防と防止 |
Research Abstract |
本研究は、老化と自己免疫の関連を明らかにし、抗イディオタイプ抗体により、老化に伴い出現する自己抗体産生の抑制の可能性を追求するものであり、今回はマウスを用いた実験系を用いたが、将来的にはその臨床応用をめざすものである。 研究計画としては、(1)老化マウスに出現する自己赤血球に対する自己抗体をハイブリドーマの方法を用いてモノクロナール抗体として精製する。(2)この自己抗体が認識している抗原物質を明らかにする。(3)精製したモノクロナール抗体に対する抗イディオタイプ抗体を家兎に免疫し作製する。(4)このイディオタイプ抗体をマウスに投与し、その効果を判定するというものであった。 研究結果として、(1)(C57BL×C3H)【F_1】,(C57BL×DBA/2)【F_1】マウスの脾細胞とマウス骨髄腫株×-63のハイブソドーマを作製し自己赤血球に対する自己抗体を産生するものを数種類得ることが出来た。しかし、何れもIgMクラス抗体の産生様であり以後の抗体精製や抗原物質の固定を困難にしたため、さらに単クローン性抗体を多量に産生する株、高い親和性を示す抗体産生株を求めて種々の方法の改善に取り組んでいる。LPSまでのPBAの前投上やGVHの併用などを試みている。(2)赤血球膜表面の抗原物質は【^(125)I】でラベルされず蛋白質でない可能性が示唆されている。今後、多糖体やリン脂質などの抗原物質を解析出来る手段の導入が必要と考えられる。(3)に関しては、免疫に用いるに必要な多量の単クローン性自己抗体を得ることが出来ず良質な抗イディオタイプ抗体がまだ得られていない。(4)に関しては、今回着手することが出来なかった。本実験は今後とも予算的な条件が許せば継続してゆきたい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Negoro et al: Mech.Aging ad Dev.36. 223-241 (1986)
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[Publications] H.Hara;S.Negoro et al.: Mech.Aging and Dev.
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[Publications] S.Negoro et al.: Mech.Aging and Den.
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[Publications] S.Negoro et al.: Jpn.J.Geriat.
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[Publications] 根来茂 他: 生体防御(Host Defense). 3. 257-266 (1986)
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[Publications] 根来茂 他: 老人科診療. 7. 120-125 (1986)
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[Publications] 岸本進,根来茂: "最新の人工臓器技術と今後の展望 人工免疫系" アイピーシー,