1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570313
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
小谷 宏行 島根医大, 医学部, 助手 (90135905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 剛 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40127519)
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Keywords | 自己リンパ球混合培養反応 / 自己反応性T細胞クローン / 自己認識機構 / HLAクラス【II】抗原 / ヘルパー機能 / サプレッサー機能 / T3関連抗原 / グリコシレーション |
Research Abstract |
1.正常ヒト末梢血より破傷風トキソイド(TT)に対する特異的なT細胞クローン株を樹立する際、抗原の添加なしに自己非T細胞に対して強い増殖反応を示したクローンをMTC-4と命名しその免疫調節作用について検討した。その結果(1)MTC-4はCD4抗原陽性で、HLAクラス【II】抗原としてDQW1,DR8,DRW52に特異性を示す自己反応性T細胞クローンであった。(2)MTC-4は自己非T細胞の刺激を受けて活性化され、autoのみならずalloのB細胞のポリクローナル抗体産生を誘導した。(3)このヘルパー機能の活性化にはT3関連抗原が関与していることがモノクローナル抗体を用いた実験により明らかとなった。(4)IL-2以外の可容性因子がヘルパー機能を媒介しており、興味深いことにこの因子は、大型B細胞(活性型)にも小型B細胞(静止型)にも作用して抗体産生を促した。(5)一方、MTC-4と自己非T細胞の混合培養系にPWM(1Mg/ml)を加えておくと、先述の抗体産生がほとんど認められず、この現象は自己反応性T細胞クローンに特異的であった。(6)種々の細胞の組合せで、PMWとの前培養試験や、cellkineticsを追跡した結果、この現象はPWMで刺激された自己非T細胞がMTC-4に対して、ヘルパー機能からサプレッサー機能への転換を誘導するシグナルを伝達していることが推察された。(7)ニューラミニダーゼで処理された自己非T細胞もPWMと同様、サプレッサー機能を発揮せしめることから、恐らくこのシグナルにはHLAクラス【II】抗原のグリコシレーションが関与していると考えられた。現在更に詳細にこの機構について検索している。2.一方SLE患者リンパ球から自己反応性T細胞を樹立する試みはまだ成功していないが、マイトーゲン刺激やアロ抗原刺激によって、SLE患者T細胞株を樹立しつつあり、今後これらの細胞株の機能について検討をすすめる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小谷宏行: Immunohematology(血液と免疫). 8. 13-18 (1986)
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[Publications] 小谷宏行,坂根剛: 臨床医. 12. 17-20 (1986)
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[Publications] Kotani,H.;Mitsuya,H.;Jarret,R.F.;James,S.P.;Yenokida,G.;Strober,W.: The Journal of Immunology. 136. 1951-1959 (1986)
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[Publications] 小谷宏行,Mitsuya,H.;Strober,W.;坂根剛,恒松徳五郎: 臨床免疫. 19. 48-57 (1987)
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[Publications] Kotani,H.;Mitsuya,H.;Benson,E.;James,S.P.;Tsunematsu,T.;Strober,W.: The Tournal of Immunology.